社会人になると、様々な人間関係を築くようになり、喜びを感じる反面、気が合わない人との関わりが大変…ということもあると思います。実は「社会人になってから心理学に興味を持つようになった」「社会でよりよい人間関係を作るために、深く学びたい」という人が多くいます。
心理学を学べる大学は、社会人になってからでも目指すことができます。興味が湧いて本気で学びたいと感じたら、「仕事をしているから」と諦めるのではなく、チャンスを活かすことが重要です。それでは、社会人から大学編入する際に知りたい、心理学部のいろはを見ていきましょう。
社会人から心理学部の編入を希望するのはどんな人?
一度社会経験を経て、心理学部に興味を持ったり、実際に編入試験に挑戦したりする方々はどのような人なのでしょうか。ここでは大きく4つのパターンを紹介します。いつか心理学部の編入試験に挑戦するとき、志望動機をいかに明確に試験官に伝えられるかが大事になりますので、以下のパターンを見ながら、自分はなぜ心理学部に編入したいのか、気持ちを整理してみましょう。
自分自身の心の課題を解決したい
「自分自身が人間関係に悩み、どのように向き合い受け入れるか、その方法を知りたい」そういった社会人の方は心理学部の編入を希望する傾向にあります。そこから、子供が抱える人間関係に耳を傾ける仕事もできるようになりますし、社会的に孤立しがちな、高齢者に寄り添う社会福祉の道もひらけるでしょう。
資格取得をして仕事に活かしたい
心理学部では、クライアントの悩みに耳を傾けるカウンセリング、心理テストやストレスの軽減といったことが学べます。専門分野を研究したり、学びを発展させて資格取得をすることで社会に貢献したい、という方も心理学部への編入を志望しています。
自分と同じような悩みを抱える人をサポートしたい
近年は、心の病を抱える大人が増え続けており、子どもも助けを必要とする人が増えています。「自分自身、悩みを抱える時期があった、だからこそ自分と同じような悩みを抱える人をサポートしたい」という志を持つ社会人からも、心理学部は支持を得ています。
現代はストレス社会と言われており、ストレスとの上手な付き合い方が必要不可欠なので、人の心理に精通する専門家のニーズは常にあります。
推理ものの作品から憧れを持つ方も
推理ものの作品を見て、犯人の心理を読み解く人物に憧れを抱いた経験はありませんか?心理学は、犯罪心理といったの方面でも重要となる学問ですので、憧れから興味を持ち始めて編入を希望するようになった方もいます。仮に将来推理とは関係のない職業に就いたとしても、犯罪心理学もそれ以外も生活において役立つ知識が身につくので、人間関係や仕事の幅がチャンスを得られます。
編入試験の内容
大学によって試験内容は異なりますが、一般的に心理学部の編入試験では、英語と小論文を課されます。
英語
英語が得意な方はラッキーです。心理学部では、時に英語の論文を読む必要がある授業もあります。そのため、編入試験では、英語の文章を読み解いて和訳を行う能力が問われます。これは心理学部のほかにも、教育に関連する学部の編入試験の傾向で、多くの大学で採用されています。具体的な出題内容として、長文の英語を訳して要約させたり、英作文を作らせる大学も存在します。
小論文
小論文の対策を進めるにあたって、心理学に関する用語は調べておきましょう。心理学の用語は言葉を知っているだけでなく、意味も理解していないと小論文に書き込むのは難しいです。また小論文は、自分の考えをまとめて時間内に文章にする必要があるため、まとめる能力と専門知識、両方を鍛える必要があります。
大学編入試験サクセスでは、大学編入の志望理由書作成・論文対策に役立つワークを揃えています。学部別に傾向を抑えた内容なので、効率よく必要なスキルを身につけることが可能です。
また論文対策は、付属のMP3プレーヤーで心理学に関する用語を講師が解説しており、通勤時間等を活用してスキマ時間に勉強できるので、ぜひご活用ください。
心理学部の特徴と魅力
研究した内容を社会に還元できる
心理学部は、人と人、人と社会の関わりに焦点を合わせ、心の動きを科学的に解明したり、解明されたメカニズムを実生活でどう活かせるか研究したりできます。自分が研究した内容を社会に還元できる可能性があるので、やりがいを感じやすく、学ぶ喜びが実感できます。
経済的場面にも心理学を活かせる
「マーケティングを学びたいから経済学部を考えている」という方、選択肢は経済学部だけではありません!「心理学」と「経済」、一見まったく関係のなさそうなジャンルですが、マーケティングや営業を行うためには、消費者心理を学ぶことが欠かせません。その消費者心理は心理学部で学ぶことができます。
消費者心理の把握や売れる商品の追求、新商品や新サービス開発といったことに、心理学の知識が活かせます。
自分の心、相手の感情を読み解きやすくなる
生きていると、気が合う人もいれば、ついぶつかってしまうような人とも出会ってきているでしょう。特に社会人になってからは、好きな人とだけ付き合うというのは難しく、人間関係に疲れた…という方も多いのではないでしょうか。心理学部に入れば、他人の理解しがたい感情なども論理的に理解できるようになり、自分自身についても心の形を把握しやすくなります。
そこから、人間関係が上手くいく人といかない人の間にある差とは何か、ストレスが溜まる相手とはどう付き合えば良いのかなども分かります。
お子さんを持っていらっしゃる方であれば、子どもが抱える不安を和らげたい、悩みを聞いて人の助けになりたいといった希望も叶うようになるでしょう。
心理学は「学問」であることを忘れずに
心理学はあくまでも学問なので、人の心を分かったつもりになるのは危険です。謙虚な気持ちと探究心があれば、他人の心を含めて理解が深められるはずです。それまで疑問に思っていなかったことをテーマに考えたり、分かっているはずなのに知らなかったことをしっかり学び直せるのが心理学部の魅力です。
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資格は公認心理師がおすすめ!
心理学部で勉強した後、社会で役に立てる資格は多くありますし、資格を活かせる職場は様々です。
「とりあえず何か資格を取っておきたい」「分野を問わず幅広い分野で活躍したい!」という方は、心理学部のある大学編入を経たのち、公認心理師を目指すことをおすすめします。公認心理師とはどのような資格なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
新設された資格
公認心理師は、2017年と比較的新しく作られた、カウンセリング系の国家資格です。患者さんの心理分析に活かせる上に、医師との情報共有やサポートの助けになります。社会的な認知度はまだ低いといえますが、今後は認知度が上がって必要とされる場面が増えてくると思われるので、今が資格取得のチャンスと言えます。
幅広く活躍できる
公認心理師が活躍できる場は、医療や保健、教育分野に限りません。産業や司法と、犯罪分野でも専門知識が活用できます。医療機関でカウンセリングに従事するも良し、学校などで子ども達をサポートしたり犯罪心理の分析や防犯に役立てるのもありです。
資格取得の条件
公認心理師の資格取得には、
- この資格のカリキュラムを持つ4年制大学の卒業+2年以上の実務経験
- カリキュラムのある大学院での修了+国家試験の合格
のどちらかかが必要です。国家試験は挑戦しがいがあり、取得できれば可能性が約束されます。
他にも取れる資格が沢山!
臨床心理士
臨床心理士は民間資格ですが、知名度が高くて専門性が評価されている資格です。5年毎の更新が必要な資格なので、長く資格を持ち続ければその分だけ実績や信頼に繋がります。
心理カウンセラー・産業カウンセラー
心理カウンセラーは、先ほど紹介した公認心理師や臨床心理士などの資格を活かして働ける職業です。民間のクリニックや行政・企業、学校でも心理学の知識が活かせるのは魅力的ですよね。悩みに耳を傾けてアドバイスを行う仕事なので、ニーズが高くて幅広い分野で活躍できます。福祉関係の施設でも働けますし、電話やビデオチャットなどのオンラインで相談に乗ることも可能です。
働く人の悩みに寄り添いたいのであれば、産業カウンセラーの道も選択肢に入れましょう。社員のメンタル面をサポートする職業で、仕事や人間関係の悩みにも応えるといった、やりがいのある職業です。
資格を活かせる職業は多い
上記の資格以外にも、社会福祉主事や社会教育主事、児童指導員に児童福祉司と、心理学部で取得できる資格は幅広いです。他にも図書館司書や博物館学芸員といった、一見心理学との関係性が薄そうな資格も、心理学部で学ぶことで取得できます。
心理系の大学で可能性を広げよう
心理学を学ぶのは社会人からでも遅くはなく、むしろ社会経験がある人ほど学ぶ意味が大きく、活かせる知識が増えます。取得できる資格も多いため、可能性が広がることになるのは間違いないです。
まずは、心理学を学べる大学に入るために編入試験対策を十分に行って、夢への一歩を踏み出しましょう。