希望する職業訓練校の試験内容は学力・面接・適性検査?対策を万全に

受験を決めたらすぐ対策 選考内容の全貌や合格のコツ

退職を契機に、キャリアチェンジを目指して職業訓練を検討する人も多いでしょう。求職者が、受講料無料でさまざまな技能や技術を習得できる職業訓練は、大変注目を集めています。

職業訓練校で受講するためには、選考試験に合格しなければならないので事前の対策が必要です。今回は、職業訓練の倍率、試験内容やその難易度、試験対策をご紹介します。

職業訓練の応募倍率とは

メールの返信メッセージを考える

できるだけ早く転職や就職をしたいけれど、専門知識や技能・技術がなくて困っている方におすすめなのが職業訓練です。介護、事務、WEB、ものづくりなど多岐にわたる訓練コースが用意されています。

ここでは、職業訓練の概要と応募倍率について見ていきましょう。

そもそも職業訓練とは

職業訓練とは、希望する仕事に就くために必要な技能・技術や知識などを習得できる公的な制度です。近年ではハロートレーニング と呼ばれ、以下の2種類があります。

ハロートレーニングの種類対象者訓練の種類雇用保険
公共職業訓練主に雇用保険の失業給付を受給している方・ビジネスIT
・介護福祉
・製造技能など
訓練終了まで失業給付が延長される可能性あり
求職者支援訓練雇用保険の失業給付を受給できない方・主にビジネスIT系
・基本コースと実践コースの2種類
失業給付の延長はなし

職業訓練はハローワークで求職登録をしている方で、訓練コース関連の職種への「早期再就職」を希望する方が対象です。ハローワーク所長から、職業訓練の受講が必要だと認められた方が受講できます。

Web関連はとくに高倍率

職業訓練校の応募倍率は、訓練内容によって大きく異なります。令和2年度の全国平均は「1.13」でした。下表は厚生労働省の「令和2年度 公共職業訓練等実績」をもとに作成しました。

令和2年度(2020年)分野別訓練実施状況

分野別

コース数

応募倍率

農業・林業・鉱業系

78

1.03

建設系

483

0.99

製造系

1,057

0.93

事務系

1,991

1.16

情報系

1,476

1.42

サービス系

1,097

1.06

介護系

1, 464

0.86

その他

411

1.40

総計

8,057

1.13

この倍率をみると、あまり高くないように見えるかもしれません。しかし応募する分野によっては、倍率が非常に高くなることがあります。

東京都は民間への委託訓練応募状況を、インターネット上で発表しています。公開されているデータによると、令和3年度に「Web動画クリエイター科」の募集倍率が「6.33」を記録しました。

応募倍率は、訓練内容や実施施設が変わると大きく変動しますので、難易度の目安としてチェックすると良いでしょう。

【職業訓練校の面接試験対策はこちら】

職業訓練校について、選考試験のうち面接試験のポイントや質問・回答例は以下の記事で解説しています。

【社会人試験サクセス】

<職業訓練校試験 合格体験談>

高知県 Y・Fさん
志望校に合った問題集で、学科も面接も対策ができて合格!

職業訓練で資格を取り、就職したい!という気持ちは強かったのですが、試験対策が難しいなと思っていた時、母がネット検索でサクセスさんを見つけてくれました。特に苦手なのが数学で、面接もしたことがありませんでしたが、志望校に合った問題集には、数学や国語、面接や願書の対策まで揃っていたので、これなら私でもやれそうだなと感じ、取り組みました。

でも、いきなり解くのは不安だったので、まずは解き方から覚えようと思い、最初は解説を見ながら進めました。解説はとても分かりやすくて丁寧だったので、どんどん進みました。模擬試験を取り組むうちに、自然と解説を見なくても解けるようになって、点数が徐々に上がっていきました。

対策を進めながら、合間に願書ワークに目を通すと、だんだん志望動機がまとまっていき、面接の回答も準備していくことができました。おかげさまで合格し、本番は緊張でしたが、対策がしっかり身についていたことを感じています。

職業訓練校の試験内容は難しい?

鉛筆で試験を受ける

ごく一部の例外を除き、受講を希望する方は面接や筆記試験などの選考試験を受ける必要があります。ここでは、職業訓練校の選考試験の概要や難易度について見ていきましょう。

学科試験・面接・適性検査が実施される

選考試験は、入校を希望する職業訓練校によって異なります。次のような試験を組み合わせて実施されるので、ハローワークで選考試験内容を確認するようにしてください。

  • 書類選考
  • 数学・国語の学科試験
  • 適性検査
  • 面接
  • 作文など

求職者向けの数学と英語の学科試験の難易度は、中学校卒業程度の内容です。職業訓練校によっては、難易度が高めで高校1年生程度の範囲まで出題される場合があります。学科試験では、国語と数学の基礎学力をみるために概ね次の内容が出題されます。

  • 読み書き
  • 四字熟語
  • 計算問題
  • 文章問題
  • 図形
  • 関数

ときには、一般常識を問う問題が出されるケースもあります。試験の内容は全国統一ではありませんので、留意してください。社会人としての経験が長く、学校の勉強から遠ざかっている人は事前に対策したほうが良いでしょう。

職業訓練で行われる適性検査は、仕事をする上で必要とされる代表的な能力を測定するものです。厚生労働省編一般職業適性検査(GATB)などが使用されています。

面接なしの職業訓練校もありますが、面接ありの場合には選考結果への影響が大きいため十分な対策がおすすめです。

マークシート式あるいは記述式で実施される

入校を希望する職業訓練校によって、学科試験の形式もさまざまです。学科試験はマークシート式、あるいは記述式で実施されます。

自分の受ける選考試験がマークシート式でも、選択肢に頼らず自分の力で回答できるよう記述式に備えた対策がおすすめです。

職業試験の合格ボーダーライン

公共職業訓練の選考試験は、入試とは異なり合格ボーダーラインは特に定められていません。学科試験が実施される理由は、訓練の内容を理解する基礎学力の有無や安全上の注意力などをみるためです。

そのため学力が高いかどうかは見られていません。万が一、学科試験における上位者から合格を決めていくと、高学歴者ばかりが受講者として選ばれてしまいます。

職業訓練は、就職困難者が技術や技能を習得する支援を行い、再就職を促すことが目的です。そこで学力よりも熱意や意欲が重視されていることから、面接試験での印象は合否に大きく影響します。熱意や意欲がない人が合格するのは、難しいといえるでしょう。

ただし職業訓練校では、定員割れを気にしていません。職業訓練を受講しても最後までやり遂げられないなど、再就職できる見込みがない者ばかりだと、定員割れでも合格させないことがあります。

職業訓練校の試験対策

一覧にチェックを付ける

ここでは、職業訓練校の学科試験や面接試験に向けてどのような対策をすべきか見ていきましょう。

学科試験の特徴と対策

学科試験の特徴はスピードと正確性が求められ、出題数が試験時間のわりに多く設定されていることです。過去問がインターネット上で公開されていたり、ハローワークで配布されたりするので内容を見てみると良いでしょう。

制限時間内にすべて解答するためには、ある程度作戦が必要なことに気づくはずです。「職業訓練だから対策なしでも大丈夫」と甘く考えていると、すべて解答する前に試験時間が終了してしまうかもしれません。

模擬試験で時間配分をトレーニングしよう

学科試験の対策は、過去問や希望する職業訓練学校別に対策できる問題集で「時間配分」の感覚を身につけることです。試験全体を見渡して、すぐに解答できる問題から着手します。

国語から先に解いて、数学の解答に時間をかけるよう時間配分をしてください。漢字の読み書きや四字熟語は、分からないなら時間をかけても正しい解答を導き出せないからです。数学の解き方が解説された問題集で対策すれば、高得点のチャンスが高くなります。

弊社「職業訓練試験サクセス」の問題集は、訓練校別に模擬試験を掲載しているのが特徴です。解説付きなので、訓練校別の傾向を把握しながら解き方を勉強できる他、時間感覚を磨けるのでおすすめです。

面接試験の対策

面接試験の対策では、事前準備が特に重要です。求職者に向けて職業訓練が提供されている目的をきちんと把握して準備を進めましょう。

政府が受講料無料で、職業訓練を提供している目的は「再就職」を促すためです。再就職に必要な知識や技能・技術を習得するための職業訓練なので、次のような目的だとみなされると合格できません。

  • 自営
  • 趣味
  • 教養
  • 暇つぶし
  • 資格取得がメインの目的
  • 雇用保険や給付金の不正受給目的

面接試験に合格するためには、再就職や職業訓練への意欲・熱意があることが大前提です。意欲・熱意がある人が、コミュニケーション能力や協調性を備えているかどうかも面接官はチェックしています。

弊社「職業訓練試験サクセス」では、定番の質問や合格する回答のポイントを解説しています。面接官へ好印象を与えるポイントもあわせて解説しているので、ぜひお役立てください。

就職活動の経験を選考試験に活かそう

職業訓練の選考試験の内容や形式は、各問道府県や受験する職業訓練校によって異なります。希望する訓練コースが決まったら、過去問などで試験の傾向を確認してすぐに対策を始めましょう。

面接試験では、訓練コースで習得した技能・技術を活かして就職する意思を伝えることが重要です。職業訓練校は就職率の向上を目指しているので、訓練が終了したら一定期間内に就職できる人材を求めています。

選考試験までに就職活動をしておき、具体的な活動内容を伝えることで、就職への強い意思を示すのも1つの方法です。「職業訓練試験サクセス」では伝え方のコツや模擬試験も収録されているので、ぜひ試験対策にお役立てください。