就職氷河期世代や40代の方で、安定した働き方や給与を得るために公務員への転職を検討している皆さんに朗報です。近年、就職氷河期世代を対象とした就職や転職支援を国が推進する動きがあり、公務員試験にも氷河期世代のための採用枠が誕生しました。
そこで今回は、就職氷河期世代や40代を対象とした公務員試験の採用枠や公務員への転職を成功させるための2つのポイントを解説します。
就職氷河期世代への国の就労支援
現在安定した職に就いていない方も多い就職氷河期世代に対して、国が就労を推進する取り組みや支援を行っています。就職氷河期世代の概要や公務員を含めた就職氷河期世代への就労支援について解説します。
就職氷河期世代とは
就職氷河期世代とは、バブル経済崩壊後就職難となった1990〜2000年代年ごろに新卒を迎えた世代です。2022年12月現在では、30代後半~50代前半の年齢の方が該当します。
バブル経済崩壊後の不景気により多くの企業が新卒採用枠を減らしたことから、就職氷河期世代には新卒で就職できなかった人が多くいます。新卒での就職機会を逃したことから、現在働き盛りの年齢であるにもかかわらず、非正規雇用などの不安定な働き方を余儀なくされている方も多いのが特徴です。
正社員雇用の機会に恵まれなかった就職氷河期世代を救済するために、国として多くの雇用推進対策を行っています。
就職氷河期限定求人および就職氷河期歓迎求人での採用が可能に
厚生労働省では、労働者の採用や募集に際して原則年齢制限を行うことを禁止しています。ただし令和5年3月31日までの措置として、就職氷河期世代(35歳以上55歳未満)に限り年齢制限を設けた募集や採用を可能にしました。
以下の条件を満たせば、就職氷河期世代の人のみを募集する「限定求人」や、就職氷河期世代の採用を優遇する「歓迎求人」を出せます。
- 不安定な就労をしている、または仕事をしていない方が採用対象
- 採用後は期限を決めない労働契約を締結する
- 職業に就いた経験があることを求人の条件にしない
国家公務員・地方公務員の就職氷河期世代採用枠が誕生
一般企業の就職氷河期世代の雇用を推進するだけでなく、国や地方の職員である公務員の採用枠にも、就職氷河期世代のための採用枠が設けられました。年齢制限により公務員試験を受験できなかった就職氷河期世代も、採用枠を利用することで公務員へ転職するチャンスができたことになります。
就職氷河期世代の国家公務員中途採用は令和6年度まで、地方公共団体における中途採用の取り組みの推進は令和4年度まで集中的に行うとしています。
ただし、就職氷河期世代の国家公務員中途採用は当初令和4年度までとしていましたが、第2ステージとして令和6年度までの延長が決定しました。今後も就職氷河期世代の公務員採用においては延長や制度変更などの可能性があるため、公務員への転職を目指したい氷河期世代の方は、情報収集や公務員試験対策をしっかりと行っておくのをおすすめします。
就職氷河期世代が受験できる公務員試験採用枠
就職氷河期世代が受験できる公務員試験採用枠は、国家公務員、地方公務員いずれにも設けられています。就職氷河期世代が受験できる公務員試験採用枠の概要や特徴、スケジュールについて解説します。
国家公務員 中途採用者選考試験(就職氷河期世代)
就職氷河期世代の採用を目的とした国家公務員試験です。令和4年度の募集要項より、概要やスケジュール、試験内容をまとめました。
試験概要は以下の通りです。
受験条件 | 各項目の内容 |
受験資格 | 1966(昭和41年)年4月2日~ 1986(昭和61年)年4月1日生まれで、以下に該当しない者 ・日本の国籍を有しない者 ・国家公務員法第 38 条の規定により国家公務員となることができない者 ・平成 11 年改正前の民法の規定による準禁治産の宣告を受けている者(心神耗弱を原因とするもの以外) |
職務内容 | ・事務区分及び技術区分 ・刑務官区分 |
採用人数 | 合計159名 |
スケジュールは以下の通りです。
試験の段階 | 日時 |
受付 | 2022(令和4)年7月20日(水)~7月29日(金) |
第1次選考 | 2022(令和4)年10月30日(日) |
第1次選考通過者発表 | 2022(令和4)年11月25日(金) |
第2次選考 | 2022(令和4)年12月7日(水)~12月19日(月) |
合格者発表 | 2022(令和4)年12月23日(金) |
採用日 | 2023(令和5)年1月以降 |
試験内容は以下の通りです。
試験の段階 | 試験項目 | 試験内容 |
第1次選考 | 基礎能力試験(多肢選択式) | 公務員に必要な基礎的な能力(知能及び知識)の筆記試験 ・知能分野 20題…文章理解、課題処理、数的処理、資料解釈 ・知識分野 20 題…自然科学、人文科学、社会科学(時事を含む) |
作文試験 | 文章の表現力、課題への理解力などの筆記試験 | |
第2次選考(事務区分及び技術区分) | 採用面接等 | 各府省の採用予定機関における個別面接など |
第2次選考(刑務官区分) | 身体検査、身体測定、体力測定 | ・胸部疾患(胸部エックス線撮影を含む。)、血圧、尿、その他一般内科系検査 ・視力測定 ・立ち幅跳びや反復横跳び、上体起こしの身体の筋持久力などの検査 |
採用日 | 採用面接等 | 個別での面接 |
就職氷河期世代を対象とした地方自治体の採用試験
各地方自治体で就職氷河期世代を対象とした公務員採用試験を実施しています。令和4年度の「就職氷河期世代を対象とした東京都職員採用試験(1類B、3類)」を例に、概要やスケジュール、試験内容を解説します。
試験概要は以下の通りです。
受験条件 | 項目の内容 |
職務内容 | ・Ⅰ類B(行政・技術、その他の試験区分、獣医、薬剤)※大卒程度の学歴が必要 ・Ⅲ類(事務・技術)※高卒程度の学歴が櫃王 |
採用人数 | 合計20名 |
スケジュールは以下の通りです。
試験の段階 | 日時 |
受付 | 2022(令和4)年8月12日(金)~8月22日(月) |
第1次選考 | 2022(令和4)年10月23日(日) |
第1次選考通過者発表 | 2022(令和4)年11月15日(火) |
第2次選考 | 2022(令和4)年12月3日(土) |
合格者発表 | 2022(令和4)年12月16日(金) |
採用日 | 原則として2023(令和5)年4月1日(ただし欠員状況などにより令和5年4月1日より前に採用される場合あり) |
試験内容は以下の通りです。
試験の段階 | 試験項目 | 試験内容 |
第1次選考(Ⅰ類B) | 教養試験(Ⅰ類B) | 一般教養についての5肢択一式 ・知能分野…24題必須解答 ・知識分野…16題必須解答 ・専門知識…10題中5題選択解答 |
論文(Ⅰ類B) | 課題式(1題必須解答) | |
第1次選考(Ⅲ類) | 教養試験(Ⅲ類) | 一般教養についての5肢択一式 ・知能分野…28題必須解答 ・知識分野…17題必須解答 |
作文(Ⅲ類) | 課題式(1題必須解答) | |
第2次選考 | 口述試験 | 主として人物についての個別面接(2回) |
当ブログでは、志望自治体に特化した「自治体別・合格レベル問題集」を取り扱っています。「市役所」「県庁・政令指定都市」「警察」「消防」「町村役場」「国立大学法人」と、区分ごとに分けられており、あなたの目指す自治体の出題傾向を把握できます。「他の問題集や参考書に目移りせずに集中して取り組める」「仕事と両立できた」「ブランクがあってもすぐ現役の感覚を取り戻せた」と、92.8%のお客様から、満足のお声を頂いております。最小の投資で効果を最大化できる問題集となっていますので、ぜひ対策に活用してください。
社会人採用枠
就職氷河期を対象とした採用枠以外にも、国家公務員、地方公務員の「社会人採用」を利用して公務員試験にチャレンジする方法もあります。
ただし、社会人採用の場合年齢制限や勤務年数を受験条件として定めていることがほとんどです。たとえば国家公務員の社会人採用は「39歳まで」という年齢制限があります。
地方公務員試験の場合は、条件が自治体によって異なります。社会人採用枠を利用する場合は、自分の年齢や勤務年数などの条件を満たした採用枠を見つけ、受験する必要があります。
就職氷河期世代が公務員への転職を成功させる2つのポイント
国が就職氷河期世代の公務員採用枠を設けることで、現在40代の方も公務員へ転職するチャンスが生まれました。ただし、働きながら公務員試験対策をするのは簡単ではありません。就職氷河期世代が公務員への転職を成功させるための方法を解説します。
筆記試験対策なしに合格は掴めない
公務員試験の第一関門である第1次選考は、問題集を繰り返し解くことで出題される内容や傾向を把握しましょう。弊社が取り扱っている問題集は、自治体別に傾向を合わせており、実際の受験生の声をもとに作成しているため、最短で筆記試験対策ができます。公務員は、過去問の公表がないことがほとんどなので、ぜひご活用ください。
合否は人物試験で決まると言っても過言ではない
就職氷河期世代が受験できる公務員採用試験は人物重視の選考を重視し論文(または作文)と面接を設けている自治体が多いです。論文と面接は独学での対応が難しくなっています。論文や面接対策のできる参考書などを入手し、対策を行いましょう。
就職氷河期世代も公務員へ転職できるチャンスがある!
従来の公務員試験には年齢制限があったため、就職氷河期世代は公務員へ転職できるチャンスがありませんでした。国が支援や取り組みを行っている今がチャンスと言えます。ぜひ公務員への転職にチャレンジし、安定した働き方や収入を実現させましょう。
就職氷河期世代に向けての試験では、特に面接試験が重視されます。面接試験の際に重要となるのは「刺さる回答」、特に「志望動機」はあなたの第一印象を左右するものです。以下の記事では、面接官に好印象を与えるポイントを頻出質問ごとに詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。