公務員試験の勉強科目は?社会人が効率よく勉強をするためのポイント

社会人枠も筆記試験はある 教養・専門科目をチェック

公務員試験では大きく分けると一次の筆記試験、二次の面接試験が実施されます。特に筆記試験では、科目数が多く出題範囲も多岐にわたるため、どのように勉強を進めるのがいいか悩む人が多い傾向です。この記事では、公務員試験について勉強科目や勉強のポイントを解説しています。

公務員の試験科目

使用する文房具セット

公務員試験では、一次試験として筆記試験、二次試験として面接試験が実施されます。面接試験では、主に志望動機や人間性などに関する質問に対し、適切な回答が求められます。面接試験を受験できるのは、一次の筆記試験で合格した者のみとなるため、まずは筆記試験で合格するための対策をしっかりとすることが重要です。

公務員の筆記試験は広範囲から出題されるため、事前に出題科目の傾向をおさえておくことが合格へのカギとなります。過去問などを参考にしながら、出題傾向を把握しておきましょう。

筆記試験は教養科目と専門科目の2種類

市役所職員採用試験情報公務員の筆記試験は、大きく「教養科目」と「専門科目」の2種類に分けられます。この2種類は出題範囲に違いがあり、一般的に教養科目は高卒程度、専門科目は大卒程度の試験範囲とされているのが特徴です。

また、教養科目は、受験する職種に関わらずほぼ必須となっているため、公務員試験を受験するなら必ずおさえておくことが大切です。警察官や消防官、多くの市役所職員などのように、教養科目のみ試験する職種もあります。

約30科目と広範囲から出題

公務員の筆記試験は出題範囲が広いという特徴があります。教養科目と専門科目を合わせると約30科目から出題されるため、すべてを勉強するにはかなりの時間が必要です。

受験する職種によっては、出題科目を選択できる場合もありますが、多くの場合は選択できないため、事前にある程度ポイントを絞り、試験対策をするようにしましょう。

教養科目の学習方法を解説

メガネと本

公務員試験の教養科目は、数的処理や文章理解などの「一般知能」、人文科学や社会科学などの「一般知識」に分類されます。試験科目は次の通りです。

教養科目その1. 文章理解

文章理解は、教養科目の中で数的処理に次いで出題数が多い分野になります。

文章理解では現代文と英文を中心に出題されることが多い傾向です。大学入試レベルの力があれば十分に解ける問題ばかりなので、受験対策としては高校の教科書や参考書を活用し、しっかりと復習しておくと良いでしょう。

文章を読むのが苦手な方は、できる限り多くの過去問を解くことで、文章を読むことに慣れておくのがポイントです。

教養科目その2. 数的処理

教養科目の中でも出題数が多く、地方上級の試験では50問中16問程度の割合で数的処理の問題が出題されるため、重点的に学習しておく必要があります。数学とは異なり、論理性や事務処理能力が問われる問題が出題されますが、過去問を何度も繰り返し解いて問題の解き方に慣れておくことがポイントです。

例えば、判断推理では問題文に書かれている複数の条件を整理し、推測をするといった問題が出されます。繰り返し過去問を解いておくことで解法のパターンがみえてくるので覚えておくと良いでしょう。

教養科目その3. 社会科学

社会科学から出題される「政治」「経済」「法律」は、専門科目と重複するため、専門科目が科されている場合には、専門科目として勉強をしておけば教養科目でも十分に対応ができます。

「時事(社会)」については、国際関係や社会問題、環境問題や社会保障など、日本の政策課題を中心に出題されるため、過去問を解くだけでは十分な対策が取れません。新聞やニュースをこまめに確認し、最近の時事情報などを随時チェックしておくのがポイントです。

教養科目その4. 自然科学

自然科学として出題される「生物」と「地学」については暗記で対応できます。長く時間をかけて勉強するより、試験前に必要な知識を一気に暗記しておくのがポイントです。理系科目が苦手な人でも、比較的解答しやすい科目になるので、優先的に取り組んでみましょう。

「数学」「物理」「化学」については、理系科目が苦手だと得点しにくい科目になりますが、高校で学ぶレベルの問題なので基礎的な問題だけでも復習しておくことをおすすめします。過去問を活用すると公式や知識をおさえやすいので、繰り返し解いておきましょう。

教養科目その5. 人文科学

人文科学として出題される「世界史」や「日本史」、「地理」については暗記で得点が取れます。高校までの内容が出題されるので、教科書や参考書、過去問を活用し、試験直前に必要な知識を暗記しておきましょう。

「思想」については、思想家と思想を示すキーワードの組み合わせを解答する問題が出題されます。「文学・芸能」についても、著者や芸術家と作品を示すキーワードを組み合わせて解答するといった問題が中心になるため、過去問を活用して知識を身に付けておくと良いでしょう。

【受験専門サクセス】

<公務員採用試験 合格体験談>

福岡県T・Nさん
時間がなくても、スキマ時間でラクラク記憶&解法で得点アップして合格!

地元市役所への転職を考えて勉強を始めました。ただ、仕事をしながらで、とにかく時間がありませんでした。効率の良い対策を調べるうちに、公務員試験サクセスの合格セットを見つけて、たくさんの受験生の合格体験を読みながら、私も利用することを決めました。

公務員要点解説講座では、数的推理や判断推理の解法が1問5分で分かりやすく説明されていて、スキマ時間を活用して勉強を進めやすかったです。文章理解の読解ポイントは60問を解き終わるころには、文章からどこが答えなのかがなんとなく分かるようになりました。

地元市役所の模擬試験は、1回目は30点くらいで焦りましたが、要点解説講座の勉強が進むと得点が上がっていって、最終的に8割以上を取れるようになっていました。

試験では解いたことのある問題がいくつも出題され、驚きと手ごたえを感じました。

時間がない中でも合格できたのは、合格セットで地元市役所の傾向に合った対策が取れたからだと思います。

専門科目の学習方法を解説

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公務員試験の専門科目は、大卒程度の国家公務員や都道府県、政令指定都市の公務員試験などで課される場合が多くなります。自治体によっては市役所職員の試験でも課されることがあるため、必要に応じて対策をとりましょう。専門科目の試験科目は次の通りです。

専門科目科目一覧
行政政治学、行政学、社会政策、国際関係
法律憲法、行政法、民法、労働法、刑法
経済ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学

専門科目その1. 行政

行政の「政治学」や「行政学」は暗記で対応できる科目になります。短期間の努力でも取り組みやすいので、まずはこの2科目をしっかりとおさえておきましょう。また、「行政学」は時事ネタから出題される場合もあるため、暗記に加えて時事対策も行っておくと安心です。

「社会政策」については、労働政策や社会保障など日本の政策課題を中心に勉強しておきましょう。「国際関係」については範囲が広いため、勉強に時間がかかることが予想されます。なるべく早い段階から試験対策に取り組んでおくと良いでしょう。

専門科目その2. 法律

専門科目の中で出題数が多いのが「法律」です。教養試験の「社会科学」でも出題される科目になるので、早い段階からしっかりと時間をとって勉強しておくことが大切です。

とくに「憲法」と「行政法」については、公務員試験において重要視される科目になるため、確実に得点を取れるように重点をおいて勉強しておきましょう。「民法」は条文の数が多く難しい科目ですが、過去問などを参考に頻出分野だけでもしっかりとおさえておくと効率的です。

専門科目その3. 経済

経済原論である「ミクロ経済学」や「マクロ経済学」が出題されます。特に経済原論は公務員試験でも重視される科目になるため、専門科目だけでなく教養科目としても出題されます。基本的な知識に関する問題だけでなく、計算問題も出題されるため、過去問を繰り返し解いて解法を理解しておきましょう。

「財政学」については、税財政制度や時事データを把握しておくことが大切です。経済原論とつながる部分もあるため、まずは経済原論を重点的に勉強しておけば、試験でも対応できるでしょう。

一般枠と社会人枠の違いは?

古びた金属のはてな

社会人から公務員に転職する場合、一般枠(大学卒業程度枠)と社会人枠(社会人経験者採用枠)のいずれかの試験を受けることになりますが、以下のように試験内容で異なる部分があります。

公務員試験枠の種類試験内容
一般枠一次試験(教養科目、専門科目、課題式論文)、二次試験(面接試験)
社会人枠一次試験(教養試験、職務経験論文、課題式論文)、二次試験(面接試験)

一次試験について、一般枠では教養試験と専門試験がありますが、社会人枠ではほとんどの場合、専門試験がありません。そのため、一般枠より一次試験の対策が楽になります。これは、社会人としての経歴が大きく問われるため、一次試験の科目が少ない代わりに、職務経験論文が課されることになるためです。

また、一般枠よりも社会人枠は採用される人数が極端に少ないため、倍率が高くなる傾向にあります。自治体によっては社会人枠が設けられていない場合もあるため、なるべくなら一般枠で受験を考えた方が希望の職種を選べるでしょう。

早めに学習スケジュールを立てて対策をしよう

公務員試験では幅広い科目から出題されるため、何から取り組めば良いか優先順位をつけながら学習スケジュールを立てて対策をとることが大切です。無計画で勉強を進めてしまうと、得意分野に偏ってしまったり、配分が多い科目を落としてしまったりなど、試験の結果に関わる可能性もあります。

受験する職種により課される科目が異なる場合があるため、早めに試験科目を確認し、計画的に試験勉強を進めていきましょう。