働きながら看護師になる方法とは?社会人におすすめのルートはこれ!

高収入で就職しやすい看護師 社会人から目指せます

コロナウィルスや高齢化社会などにより、これからの時代は看護師への期待がいっそう高まっています。実際に社会人や主婦で看護師を目指す方が増えており、看護師養成所の学生のうち、4人に1人は社会人経験者というデータもあります。

今回は社会人や主婦が看護師になる方法についてご紹介します。社会人が看護師になるメリットについても取り上げていますので、参考にしてください。

社会人が看護師になるには

献身的に患者をケアする看護師

看護師になるには国家試験に合格しなければなりません。これは学生だけでなく、社会人や主婦にとっても同じです。ここでは、社会人が看護師を目指す場合に押さえておくべきポイントについて説明します。

看護師になるまでのルート

一般的に看護師を目指すには、次の4つのルートがあります。

最終学歴

受験資格を得るルート

試験名

取得資格

高校卒業

1. 看護大学(4年)

看護師国家試験

看護師

2. 看護短期大学(3年)

3. 看護師養成所(専門学校)(3年)

中学卒業

4. 5年一貫看護師養成課程校(5年)

社会人や主婦が看護師を目指す場合は、ルート1~3が適しています。4年制の看護大学、3年制の看護短期大学、3年制の看護師養成所のいずれかを選び、看護師国家試験を受験するルートです。

大卒者は編入学制度が利用できる

看護大学(4年)のルートの場合、大学を卒業した社会人には編入学制度を利用するという方法があります。看護学以外の専攻であっても、学士編入制度によって3年次からの編入が可能です。

編入学制度の有無は各大学によって違うので、事前に大学のホームページで確認してください。

看護師になるまでの年数

看護専門学校入試情報が満載社会人が最短で看護師を目指すには、3年制の看護短期大学か看護師養成学校(専門学校)に通う「看護短期大学(3年)」か「護師養成所(専門学校)(3年)」のルートになります。

看護師国家試験に合格した場合は、3年で看護師資格が取得できます。試験は毎年2月に行われますが、合格できなければ次の年に再度受験することになります。

学費はいくらかかる

社会人から看護師を目指す場合、学費は重要なポイントです。初年度に必要な費用は、入学金・授業料・実習教材費・施設管理費などがあります。

看護大学の費用(国立・公立・私立)

4年制の看護大学は国立・公立・私立があります。国立と公立は初年度費用が100万円以内に収まりますが、私立の場合は国公立より100万円程度多くなると思ってください。

国立はほぼ全国同じ費用ですが、公立は自治体によって差があります。4年間の授業料でみると、国・公立は200万円を超える程度、私立は400万円以上かかる傾向です。

参考までに東京都の国立・公立・私立の初年度にかかる学費をあげておきます。地域や各大学によって費用が違ってきますので、事前にホームページで確認する必要があります。

学校区分大学名初年度の学費
国立大学東京医科歯科大学 (2020年度)入学金:282,000円 授業料:642,960円(年額)
公立大学東京都立大学 (2021年度)入学金:141,000円(都民)、282,000円(都民外) 授業料:520,800円(年額)
私立大学日本赤十字看護大学 (2021年度)入学金:300,000 円 授業料:1,200,000円(年額) その他:340,000円
私立大学聖路加国際大学 (2021年度)入学金:200,000円 授業料:1,120,000円 その他:430,000円

看護短期大学・看護師養成所(専門学校)の費用

看護短期大学は全国的に数が少なく、私立だけです。3年制なので4年制の看護大学より費用を抑えることができます。看護師養成所(専門学校)は看護短期大学と同じぐらいの費用になります。

参考までに看護短期大学と看護師養成所(専門学校)の初年度にかかる学費をあげておきます。

学校区分大学名初年度の学費
私立短大埼玉医科大学短期大学・入学金:400,000円 ・授業料:700,000円/年
私立短大平成医療短期大学・入学金:200,000円 ・授業料:700,000円/年
専門学校東京墨田看護専門学校・入学金:200,000円 ・授業料:800,000円/年
専門学校横浜中央看護専門学校・入学金:250,000円 ・授業料:440,000円/年

各学校によって費用が違ってきますので、ホームページで確認してください。表に記載した初年度の学費は、2022年3月時点の数値です。

費用負担を軽減する方法

社会人が看護師を目指す場合、仕事をやめて看護学校で学ぶことになります。すでに説明したようにかなりの費用が必要です。

働いていた経験のある社会人には、費用負担を軽減する方法があるので、以下で説明します。

専門実践教育訓練給付金

社会人が資格取得を目指す場合は「専門実践教育訓練給付金」という国の支援が受けられます。雇用保険の被保険者(在職者)と被保険者だった方(離職者)が対象です。

厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を受講して修了した場合に、一定の割合で経費が支給されるもので、看護師資格の取得を目標とする養成課程も含まれます。

「専門実践教育訓練」受講中の支給額「専門実践教育訓練」修了後の支給額
費用の50%(年間上限40万円)費用の20%を追加支給(年間上限56万円)

20%の追加支給は養成課程を卒業後1年以内に資格を取得して就職した場合で、雇用された日から1か月以内に申請しなければなりません。これを利用すれば、受講中と合わせて合計で支払った費用の70%が支給されます。

働きながら目指すなら准看護師

看護師大学、看護師短期大学、看護師養成所(専門学校)の場合は、全日制のため平日の朝から夕方まで授業があります。アルバイトができるのは夜間か休日に限られますので、働きながら社会人が看護師を目指すのは難しいといえます。

ただし、社会人として働いている間に入学金や卒業までの授業料を確保しておけば、生活費などをアルバイトでまかなうという方法があり得ます。

一方どうしても働きながら目指したい場合は、まず准看護師の資格を取得するというルートが考えられます。

准看護師学校養成所には定時制や通信制があるので、昼間働きながら学ぶことが可能です。看護師を目指すよりも合格率が高く、学費も安いのが特徴です。

准看護師から正看護師になる場合は、看護学校で規定の科目を履修して国家資格を取る必要があります。働きながら看護師を目指す方法として、まず准看護師になるというルートもあることを知っておいてください。

【受験専門サクセス】

<准看護学校 合格体験談>

大阪府 S・Kさん
志望校の受験対策に特化していてぴったり!仕事をしながら准看に合格

私は急がば回れで、まず准看護学校を受験することにしました。仕事をしながらだったので、自宅学習での受験対策でした。

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要点チェックで学んだことは志望校別問題集を解く際にとても役立って、合格圏である7割以上の得点ができるようになりました。願書ワークで志望理由や面接の対策まで取れて、自宅学習でも全て対策取ることができました。

無事に合格できたので、准看護師を努めながら、次は正看を目指していきたいです。

社会人から看護師になるメリット

医師と看護師が手術する

社会人から看護師になるには国家試験というハードルがあり、3年から4年看護学校へ通い、学費もかかります。

それだけの苦労をするメリットはあるのかと疑問を持つかもしれません。そこで、社会人から看護師になるメリットについて説明します。

高収入が得られる

一般的に看護師は高収入といわれていますが、実際に厚生労働省の統計を見てもそのことが裏付けられています。

令和2年の医療・福祉、製造業、生活関連サービス業・娯楽業に従事している女性の平均賃金を比較してみます。

年齢医療・福祉の平均給与製造業の平均給与生活関連サービス業・ 娯楽業の平均給与
25~29歳243,700円206,000円222,600円
30~34歳255,000円222,500円235,600円
35~39歳261,200円232,400円237,800円

産業別の統計なので医療・福祉の平均給与ですが、看護師の平均給与はこれより高くなっています。また時間外勤務手当や深夜勤務手当などの各種手当を含めると、同年代の女性全体の平均給与よりかなり高収入になります。

社会人の経験が役立つ

社会人は社会に出て仕事をこなしてきたスキルや経験があります。パソコンやビジネス関連のスキルがあれば、医療の現場で活かすことができます。

また社会人としての一般常識は、どのような職場でも役立ちます。とくにコミュニケーション能力は医療スタッフや患者さんと接する時には非常に重要なスキルです。

転職や再就職がしやすい

今、全国的に看護師不足が問題になっています。少子高齢化や高齢化社会の到来のみならず、コロナウィルスの蔓延などでかつてないほど看護師の重要性が高まっています。

資格を持っているだけで看護師の求人は引く手あまたの売り手市場です。そのため転職や再就職がしやすく、仕事につけないという不安がないのは大きなメリットです。

社会人から看護師を目指して看護学校を受験しよう!

社会人から看護師になる方法についてご紹介してきました。仕事をやめて看護師を目指すのは勇気がいることです。看護師養成所の学生のうち4人に1人は社会人という数字は、実際に看護師を目指す人が多いという証拠でもあります。

看護師は社会になくてはならない重要な仕事です。看護師になるには国家試験に合格しなければなりませんが、まずは看護学校を受験して合格を勝ち取ってください。