専門学校は職業につながる知識や技術を習得することができます。就職サポートも充実しているため、就きたい仕事や業界がきまっている方におすすめです。
今回は、専門学校で狙い目の資格をご紹介します。持っている知識や技術の証明に役立つ資格は、就職に有利です。専門学校は働きながらでも通いやすいので、転職やキャリアアップを検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
専門学校の卒業生は就職に有利?
転職やキャリアアップを考えたときに、仕事を続けながら効率よく学ぶには専門学校がおすすめです。専門学校は職業につながる知識や技術を習得できます。なかには「就職に有利」だと聞いたことがある方もいるでしょう。ここでは専門学校へ通うメリットについて解説します。
就活でアピールできる資格を取得できる
専門学校は職業につながる知識や技術を指導しています。職業につながる知識と技術を習得するために、実践的な実習など、しっかりとしたカリキュラムが組まれているのが特徴です。
在学中に国家資格など各種資格や検定の取得を目指して取り組むため、時間をかけずに効率よく資格を取得できます。職業によっては保有資格が強みになるため、具体的に就きたい職業があり、必要な資格があるなら資格取得に力を入れている専門学校がおすすめです。
就職サポートが充実している
専門学校には学生の就職活動をサポートする専任スタッフがいます。企業と連携をして求めている人材や能力などを把握し、企業ニーズに合わせた対策を行います。早い段階で現場を知る機会が持てるインターンシップ制度や、卒業生を対象としたキャリア支援など就職をサポートする取り組みが豊富です。
教員も現場の実務経験者のため、普段の授業から就職を意識して取り組めます。職業や現場を知らずに就職活動に臨むよりも、就職に有利になる対策を知っている学校にサポートしてもらえるのは、就活において大きなメリットといえるでしょう。
専門学校卒で就職に有利な資格ってあるの?
専門学校で就活時にアピールできるおすすめの資格を分野別にご紹介します。
分野 | 取得できる資格 | 就職できる業界 |
工業 | 自動車整備士 | 自動車ディーラー、自動車整備工場、カーショップ、大手運送会社 |
農業 | バイオ技術者認定試験(初級・中級・上級) | 化粧品メーカー、医薬品メーカー、農業系技術者 |
医療 | 看護師(正・準) | 病院・クリニック、介護老人保健・福祉施設 |
衛生 | 製菓衛生師・食品衛生責任者 | 洋菓子店、飲食店、和菓子職人、パン屋、ホテル業界 |
教育・社会福祉 | 保育士、臨床心理士、チャイルドマインダー、養護教諭 | 保育園、学校・教育現場、企業の保育室 |
商業実務 | 医療秘書認定試験、医療事務管理士技能認定試験 | 病院、クリニック、健診センター、健康保険組合 |
服飾・家政 | 商品装飾展示技能士、パターンメイキング技術検定、ファッション販売能力検定 | 百貨店、ショッピングセンター、アパレルショップ |
文化・教養 | AFAA IGFIライセンス | フィットネスクラブ、スポーツジム |
専門学校で取得できる狙い目の資格
人材確保が必要な職種なら、未経験でも資格を持っていれば就職できる可能性は高くなります。特に人材確保が求められているのはIT業界と医療・看護・介護業界です。就職活動に対して狙い目となる資格をご紹介します。
工業分野|IT系の国家資格
経済産業省の「IT人材需給に関する調査(2019年4月)」によると、IT関連市場の年平均成長率を2.7%程度と見た場合、2030年に、約45万人のIT人材が不足するといわれています。
そのため、国をあげてIT人材の育成に力を入れています。未経験者枠の求人も多くあることから、IT系の資格を持っていれば実務経験が無くても就職できる可能性は高いでしょう。IT業界に転職するにあたって、有利になる可能性が高い国家資格をまとめました。
資格名称(略称) | 業務と役割 |
ITパスポート(IP) | 情報技術に関する基礎知識を持ち、知識を生かして情報機器やシステムを把握し活用する。 |
情報セキュリティマネジメント試験(SG) | 情報セキュリティリーダーとして情報セキュリティ維持のために必要な業務を遂行する。 |
基本情報技術者試験(FE) | 企業やシステムが抱える課題に対して、情報技術を活用した戦略を立てる。システムの設計や開発を行う。 |
これら以外にも専門学校で取得できるIT資格はたくさんあります。資格はスキルの証明です。IT業界への転職を考えている方はぜひ取得を目指してみてください。
医療・社会福祉分野|看護・介護業界の国家資格
高齢化社会の進行に伴い、看護や介護業界ではニーズに対応するための人材確保が求められています。国は看護師や介護業界で活躍する人材を育成するため、離職防止や定着促進に取り組んでいます。
医療・看護・介護系の資格のうち専門学校で取得できる国家資格を一部ご紹介します。
資格名称(略称) | 業務と役割 |
理学療法士(PT) | ケガや病気などで身体を自由に動かせない方に対して、運動療法や物理療法を用いたリハビリテーションを行う。 |
診療放射線技師 | X線撮影やCT、MRI検査など最新の医療機器を用いて検査や治療を行う。 |
介護福祉士 | 身体上または精神上の障がいがある方の心身に配慮した介護、介護者への指導を行う。 |
管理栄養士 | 病気や高齢者、健康な方など身体状態に合わせた栄養指導や栄養管理を行う。 |
准看護師 | 医師・歯科医師・看護師の支持を受けてケアを行う。 |
看護師でも准看護師は病院だけではありません。訪問看護ステーションや介護施設など就業場所や求人数も多く狙い目の資格です。
【社会人から専門学校を目指すときのポイント】
社会人から資格取得のための専門学校入学について、必要なポイントを解説しています。
社会人で働きながら学ぶなら専門学校がおすすめ
社会人で働きながら資格取得を目指すなら、就職に有利な資格取得を目指せる専門学校がおすすめです。
専門学校の中には、社会人を対象としたカリキュラムを開設している学校があります。働きながらでも通えるように、夜間部コースの設置や学費負担を軽くする給付金制度などを利用することが可能です。専門学校をおすすめする理由について、くわしく解説します。
大卒者より早く現場で働ける
専門学校の修業年数は1〜3年です。医療技術系の資格を生かせる仕事に就きたくても、大学は3年生では卒業できません。専門学校なら3年で終わって、すぐに就職できます。大卒者よりも1年早く現場で経験を積むことが可能です。
また、専門学校なら学生のうちから現場で働けるところもあります。経験が重視される職業の場合、早く現場に出られるように専門学校への進学がおすすめです。
さらに専門学校は大学より修業年限が短いことから、学費も抑えることができます。ただし、3年間という短い期間で国家資格の取得を目指すため、学生生活は忙しくなることを覚えておきましょう。
国家資格のダブル受験もサポートしてくれる
専門学校では、専門職学位を持っている方が教員をしています。実務経験を持つ方が指導してくれるので、現場に近い感覚を身につけることが可能です。学生全員に国家資格を取得してもらうために、きめ細やかな試験対策カリキュラムが組まれているのが特徴です。
また、国家試験問題を意識したカリキュラムやコースのある専門学校なら、難易度の高い国家資格のダブル受験もていねいにサポートしてくれます。
例えば准看護師の資格を取得後に、介護職員初任者研修を取得しておけば介護業界への就職に有利です。就職に強いダブルライセンスの取得を目指しているならば、平行に資格取得をサポートしてくれる専門学校を選びましょう。
夜間部・通信課程がある
専門学校は昼間に通学するスタイルが主流ですが、昼間に働いている社会人でも通えるように夜間部や通信課程を置いている学校もあります。
夜間部へ通う場合、自宅や職場から通いやすい立地にあるかどうかもポイントです。公共交通機関を利用して通学する際、学校から「通学証明書」を発行してもらえるかどうかも確認してください。
専門学校は専門分野に特化した内容を学べるのが強みです。自分の生活スタイルに合った授業を受けられるのか、事前に専門学校のホームページで確認するとよいでしょう。
活用できる奨学金や給付金が豊富
働きながら通学する場合、今の収入で学費を払いながら生活を送れるのか気になる方もいるでしょう。社会人でも要件を満たせば利用できる奨学金や給付金があります。
給付金の種類 |
給付率(給付額)・貸与の場合の返還条件 |
教育訓練給付金制度
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専門実践教育訓練給付金:受講費用の最大70%(年間上限56万円) |
特定一般教育訓練給付金:受講費用の40%(上限20万円) |
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一般教育訓練給付金:受講費用の20%(上限10万円) |
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高等職業訓練給付金 |
毎月10万円(住民税課税世帯:7万500円) |
教育訓練給付金は教育訓練のレベルで給付率が異なります。高等学校訓練給付金はひとり親世帯で児童扶養手当を受給されている方が対象です。これら給付金の対象外であれば下記の奨学金制度の利用を検討しましょう。
奨学金の種類 |
貸与種別・返還条件 |
返還義務の有無 |
看護師等修学資金貸与事業 |
第一種 |
返還義務なし |
第二種 |
全額返済 |
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病院・医師会の奨学金制度 |
運営法人の施設に就職した場合 |
全額返還義務なし |
運営法人の施設に就職しない場合 |
全額返済義務あり |
「看護師等修学資金貸与事業」の第一種は指定施設で5年間看護業務に従事することで返還が免除されます。第二種は返還義務があり、都外就業者は返還期間が半分に短縮され、返還金額も倍になることを覚えておきましょう。
病院や医師会の奨学金制度も全額給付されるのは、卒業後に運営法人の施設で就労することが条件です。中途退学者や運営法人以外へ就職した場合は、全額返還を求められるなど制度によって異なります。
他にも、専門学校独自の奨学金制度もあるので、気になる学校があれば問い合わせてみましょう。
専門学校で将来性の高い資格取得を目指そう
社会人が新たなスキルを身につける際、「仕事に支障をきたさないか」「通い続けられるのか」「取得した資格が役立つのか」などさまざまな不安があるでしょう。人材不足が懸念される業界で役立つ資格なら、就職につながりやすいメリットがあります。
専門学校なら企業と連携した実践的な実習が豊富なため、資格だけではなく現場で即戦力となる能力を身につけることが可能です。資格によって就業場所も広げることができるため、ダブルライセンスの取得も視野に入れて取り組みましょう。将来性の高い資格を取得したい方は検討してみてください。