社会人のための大学編入3ルート!受験条件とルート別試験内容

あなたはどの道を選ぶ? 大学編入3ルートを解説

スキルアップや資格取得を目指す人が、社会人から大学に入学する方法に「編入」があります。また、通常の受験をして大学に入る方法も、社会人が取れる選択肢のひとつです。

今回は、社会人が大学に編入する方法である「学士編入」と「社会人編入」、「社会人入試」について、特徴と受験の条件、それぞれの入学試験の出題傾向をご紹介します。

社会人の大学編入の主なルートは3つ

多くの選択肢に迷う女性

社会人が大学に編入する主なルートは、次の3つです。

  • 学士編入(学士入学)
  • 社会人編入(編入学)
  • 社会人入試(社会人選抜)

それぞれどのような方法で、受験するにはどのような条件を満たす必要があるのか、以下でそれぞれ紹介します。(条件は一般的な例で、大学によって異なります)

学士編入(学士入学)の特徴と受験の条件

学士編入とは、4年生大学をすでに卒業した人(学士)が、違う学部や別の大学の2年次ないし3年次に編入できる制度です。医学部での実施がよく見られるほか、大学によっては文系・理系を問わずさまざまな学部で学士編入を導入しています。

また、2年次と3年次のどちらに編入できるかは、大学や学部で異なります。いずれにしても通常より卒業までの期間が短縮され、学費もその分抑えられるでしょう。

学士編入を実施するかどうかは大学や学部・学科によって違い、年度によってもまちまちです。また、募集人数はどの大学でも非常に少なく、簡単には合格できない受験ルートだと考えてよいでしょう。

学士編入学試験を受験するには、主に次のような条件を満たしている必要があります。

  • 4年制以上の大学(または専門職大学)を卒業し学士の学位を取得または取得見込み
  • 大学院修士課程または博士課程を修了または修了見込み

また、大学によっては学士編入を同大学卒業者に限定していることもあるため、注意しましょう。

社会人編入(編入学)の特徴と受験の条件

大学編入試験情報が満載大学や短大、高等専修学校、専門学校などを卒業した人、一定以上の単位を取得したのちに大学を中退した人などが、以前修得した単位を活かして、大学の2年次もしくは3年次に入学できる制度を「編入」といいます。受験には、大学が求める学歴や修得単位数が必要です。

必ずしも学士の学位を持っている必要はない点が、学士編入とは異なります。通常より卒業までの期間が短くなる点は、学士編入と同様です。

なかには、勤務経験年数などの要件を設けた「社会人編入学」の枠を特別に設ける大学も増えています。ただし、一般の編入、社会人編入のいずれも、募集人員は少ない場合が多いです。

社会人編入学試験を受験するためには、社会人としての経験(勤務経験、主婦(夫))が一定年数以上あることに加えて、次のいずれかの条件を満たしていることが必要です。

  • 学士の学位がある
  • 大学に2年以上在学して62単位以上取得した(3年次編入の場合)
  • 短期大学、高等専門学校を卒業した
  • 専門学校(2年以上、授業時間1,700時間以上)を卒業した

社会人経験については、正社員としての就業経験が必要な場合やアルバイトも社会人経験に含む場合、主婦(夫)も受験できる場合など、大学によって要件が異なります。年数は1~3年程度の期間を定めている大学が多く見られます。

また、多くの場合、編入学できる年次が決まっていて、必要単位数が出願資格に盛り込まれています。しかし、なかには編入試験時の修得単位数によって、編入学の年次を決める大学もあるため事前に確認しましょう。

社会人入試(社会人選抜)の特徴と受験の条件

編入学の制度を利用せずに、大学受験をして1年次から大学に入学する方法もあります。もちろん、一般入試も受験できますが、社会人であれば社会人入試(社会人選抜)の枠で出願すると、受験科目などの面で負担が少なく受験できます。

社会人入試を受験できる条件として、多くの大学では社会人経験があることを挙げています。「社会人経験」が示す内容は社会人編入と同じく大学ごとに異なり、必要な経験年数などの要件が設けられていることもあります。

また、社会人入試を受験するには次の学歴・学力を有している必要があります。

  • 高等学校もしくは中等教育学校を卒業した
  • 通常の課程による12年の学校教育を修了または修了見込み
  • 高等学校卒業者と同等以上の学力があると認められるまたは該当する見込み(学校教育法施行規則第150条による)

社会人の大学編入試験の内容

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社会人の大学編入試験の内容は、受験ルートによって傾向が異なります。どのルートで受験するかがある程度固まったら、傾向に合わせて早めに準備を始めましょう。

ただし、同じ受験ルートでも、大学や学部・学科によっては試験の実施内容がまったく異なることがあります。志望校が決まったら、志望校ごとの選抜方法をきちんとチェックして、個別に対策することが重要です。

学士編入(学士入学)の試験内容

学士編入学試験の実施内容は、学科試験、面接、小論文、書類審査など大学や学部・学科によって異なりますが、複数の試験を組み合わせる大学が多いです。しかし、なかには面接のみ、書類審査のみというケースもあります。

学科試験が実施される場合、受験科目は少ないことが多く、受験する専攻科に関する専門的な知識を問う内容がよく見られます。また、検定試験のスコアによって、試験の一部を免除する大学もあるなど、バリエーションはさまざまです。

学士編入の受験者は全員が大学既卒者であり、一定以上の学力があることが大前提です。そのため、受験する学部学科への適正や意欲を問うことが試験の主な目的だと考えてよいでしょう。

社会人編入(編入学)の試験内容

編入学のなかでも、社会人経験がある人を対象にした社会人編入学の試験は、書類審査と面接や小論文の組み合わせで実施する大学が多く、学科試験は課さないケースが多く見られます。そのため、受験する学部・学科への適性や入学後のビジョンがあるかどうかなどが、受験のポイントとなるでしょう。

ただし、工学部など学部に入った時点である程度の知識が必要となる学部では、筆記試験や口頭試問などの試験が行われることがあります。しかし、一般入試のように科目数は多くないため、仕事をしながらでも対策はしやすいでしょう。

社会人入試(社会人選抜)の試験内容

社会人入試でも、多くの大学が小論文、面接試験、書類審査といった、意欲や考え方、適性などを測る試験を採用しています。また、志望する学部・学科に関係する科目の筆記試験や口頭試問を課す大学もありますが、科目数は少ないのが一般的です。

ただし、薬学部、看護学部など専門性の高い学部・学科の入学試験では、社会人入試であっても、外国語、国語、数学など数科目にわたる学力試験を行うケースもあります。仕事と受験勉強との両立が負担になる可能性もあるため、過去の選抜方法や出題内容を事前に確認しておき、早めに対策に取りかかるとよいでしょう。

学歴や目的に合わせて受験ルートを選択しよう

社会人が大学編入をするときには、過去の学歴を活かして2年次ないし3年次からスタートできる「学士編入」「社会人編入」のほかに、「社会人入試」を利用して1年次から始める方法があります。自身の学歴や、希望する大学で実施されている入試方式に合わせて、ルートの選択をしましょう。

入学するルート次第で卒業までの年数や費用にも影響するため、きちんとシミュレーションすることが大切です。また、受験ルートによって、試験の実施内容も異なります。試験内容によっては学科の勉強に割かなければならない時間も変わります。仕事との両立が困難になる可能性もあるため、試験内容も考慮した受験校・ルート選びができるとよいでしょう。