高齢化が進む現代において、社会福祉学部への編入に対する支持が高まっています。社会人になってから大学入学を考えるのは遅くはありません。勉強したい、その切っ掛けを得るタイミングがたまたま社会人だっただけです。
むしろ、社会人経験や、直面した社会問題などが社会福祉に興味を持つ切っ掛けとなり、そこから大学編入というケースも意外と多いのです。
ここでは、社会福祉大学への編入を目指す受験生に向けて、編入の魅力をお伝えしていきます。
社会人から社会福祉系学部の編入を希望するのはどんな人?
大抵の人は社会に対して、次第に他人事として捉えて関心が薄れますが、「社会問題を考えれば考えるほど興味が増す一方だ」というあなたは、社会福祉学部に編入を考え、大きな一歩を踏み出そうとしています。
それでは、社会人から社会福祉学部への編入を希望するのはどのような人なのでしょうか。以下に、社会福祉学部の編入試験を受けた方からよく出てくる理由を挙げてみました。
- 社会問題に関心が強い人
- 児童福祉、医療の方面に興味を持っている人
- 高齢者の自己実現が可能な社会づくりに関心がある人
- ボランティア活動に参加して社会問題に関心を持った人
- 「助けを必要とする人に手が差し伸べられなかった」などの経験がある人
- 身内が福祉関係の仕事に携わっている人
- 自分自身、支援を受けたことがある、あるいは身近に支援を受けている人がいる
このように様々な方が編入を希望しています。当てはまる内容はありましたか?
社会人だからこその強み
社会人から編入した人が多い社会福祉学部の学生は、お互いの経験を活かして共に学んだり、切磋琢磨して成長しようとすることへの姿勢が違います。また、常に念頭に自らの社会経験があるので、社会問題や児童福祉などの問題に対して、現役の学生とは違った捉え方ができます。主体的に勉強したいと思って編入をしている分、座学に限らず、実習・ボランティアに参加する場合も本気で、自分に何ができるかを考えたり貢献する方法を見つけようとします。その姿は現役学生の人たちに良い影響を与えることでしょう。
あなたの本気を大学は見ている
大学編入を一度は考えたものの、時間が経つにつれて様々な理由で編入を断念した、そのようなお声も頂くことがあります。実際、大学編入が実現するかどうかは、今している仕事や家庭、経済などの事情に左右されます。
ですがその分、何となく進路を選ぶこともある現役の学生と違って、社会人になってから大学編入で社会福祉学部に進む人は本気度が違います。大学側も、その本気に応える準備をしています。決意した瞬間が肝心ですので、将来の目標のために、今自分ができることを整理しましょう。
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社会人から大学編入に挑戦される方に、効率の良い勉強法や準備するもの、社会人だからこそのメリットを解説しています。
編入試験の内容
社会福祉学部の編入試験は、大学によって内容が異なりますが、一般的には面接や英語の試験、小論文が設けられていることが多いです。
面接
面接は、編入するに相応しい人物かどうか人となりを見たり、社会福祉の学問に対する意欲、本気度などを測られます。
英語
英語の試験は、社会福祉の研究を進める中で、論文を読むときなど必要になることがあるため、英語の論文を読み解き理解する能力を図るために行われます。
小論文
小論文は一般的な課題を出されることもありますが、社会福祉に関する課題を出されることが多いです。そのため、編入試験対策を始めたら、社会福祉系の専門知識に広く目を通して、意味を理解して論文に書くことができるよう練習しましょう。
大学編入試験サクセスでは、大学編入の志望理由書作成・論文対策に役立つワークを揃えています。学部別に傾向を抑えた内容なので、効率よく必要なスキルを身につけることが可能です。
また、論文対策は、付属のMP3プレーヤーで、社会福祉に関する用語を講師が解説しており、通勤時間等を活用してスキマ時間に勉強できるので、ぜひご活用ください。
社会福祉学部の特徴と魅力
社会に貢献できる資質を身につけられる
社会福祉学部では、人間の尊厳や福祉の成り立ち、現代の課題などを学べます。例えば、表面的には問題を抱えていないように見える人でも、実際には社会生活に困難を感じていたり、本当は助けを必要としていることがあります。そういう存在に気がつける、また自分もそのような立場になった時に、何ができるか想像力を働かせてより良い社会の実現に貢献できるのが、社会福祉学部の醍醐味です。
資格を取得しやすい
社会福祉学部の最大の魅力は、取得できる資格の専門性の高さです。社会福祉関係の資格は社会で即戦力として役立ちます。また、資格取得をしたあとは社会に出て実践が待っていますが、社会福祉学部なら、実習を通してしっかりと技術を身につけられます。実際、実験をしたり実習経験が積める授業を取り入れている社会福祉系の大学は多いです。
一般的に、1~2年次は社会福祉の原論や基礎から学び始め、いずれ専門科目に進む為の準備をします。3~4年次は社会福祉や地域福祉、児童福祉といった科目を掘り下げて学ぶことになります。他にも様々な科目があるので、自分が理解を深めたいテーマに集中して学べます。実習を重視している大学では、特別養護老人ホームなどに出向いて高齢者と交流を図るといったことがあります。逆に、理論を重視している大学はあまり実習に積極的ではないので、大学選びの際は注意しましょう。
卒業後に役立つおすすめ資格は?
社会福祉学部で得られる資格は様々です。中でも国家資格は、就職や転職に役立つものが多いので、どれか1つは持っておきたいところです。
一度社会に出た皆さんなら、「即戦力」というワードはよくご存じでしょう。特に社会福祉においては、この即戦力というのは重要なポイントです。社会福祉学部を卒業したら、専門知識と資格が活かせる仕事に就くことが望まれます。社会福祉の現場では人手不足が発生しており、すぐにでも働ける人は重宝がられるほどです。ここでは、特におすすめする資格を紹介します。
社会福祉士
社会福祉士は国家資格です。身体や精神に何らかの障がいを抱えている人に対し、日常生活を送るのに必要な支援を行ったり、福祉相談に乗ることができる資格です。福祉のみならず医療方面の関係者とも連携を図り、共に質の高いサービスの提供実現を目指します。
介護福祉士
介護福祉士も国家資格であり、社会福祉士よりも介護に関する専門性が高いです。介護に必要な知識と技術、経験を持つ専門家として、介護施設や介護の現場で活躍できます。訪問介護の仕事もできるので、施設の入所が難しい介護を必要とする人の助けにもなれます。
精神保健福祉士
精神保健福祉士は心療内科や精神科病院、地域の精神保健福祉センターなどで働ける国家資格です。精神系の相談対応やサポートに適している資格で、精神障がい者支援をすることが可能となります。就職先が豊富で常に必要とされているため、精神保健福祉士の資格を持っている人も様々な環境で即戦力として活躍することができるでしょう。
将来働きたい施設を先に考えるのもあり
児童養護施設で働きたいなら
ファミリーソーシャルワーカーという仕事に就くことをおすすめします。仕事そのものは特別な資格を必要としませんが、社会福祉士や精神保健福祉士、臨床心理士などの資格があった方が採用されやすくなっています。
障がい者支援施設や就労継続支援事業で働きたいなら
この場合は、障がい者福祉系の資格を取ると良いです。例えば、サービス管理責任者という資格。障がい福祉サービスの支援計画を立てたり、関係機関との連絡や調整の仕事が行えます。スタッフ教育という大事な仕事もあるので、活躍の場とやりがいが得られます。
また、無資格でもなれる生活支援員は、障がい者の日常生活の支援を主に行う仕事で、施設で過ごす障がい者の食事や入浴などをサポートします。無資格でもなれるとお伝えしましたが、障がい者支援を行う性質上、社会福祉の専門知識と資格を持っておくことをおすすめします。
社会福祉系の大学で可能性を広げよう
社会福祉系の大学は、これからの社会を支える人材になるための勉強ができる場所です。社会人からでも大学編入で学ぶチャンスが手に入りますし、卒業後に学びを活かしたり、キャリアアップを目指すことも可能となります。人の役に立つことが社会貢献に繋がるので、社会福祉系の大学に注目が集まり、編入を希望する人が少なくないのも納得です。
編入をすることは、社会貢献の形や自分にあった選択肢を見つける切っ掛けとなるでしょう。