社会人になってから、教育を学べる大学に挑戦するのは簡単なことではありませんが、大学編入という形で挑戦することができます。「教育に関わることをしたいけど、大学編入はハードルが高そう…」という方は必見です。大学編入するからこそ得られるメリットが多くあります。特に「子どもたちが明るい未来に向かえるように、自分の失敗・成功した経験を伝えていきたい」という方は編入の道を選ぶ傾向があります。
チャンスは与えられていますので、挑戦を決めるか、先を目指すかどうかは自分次第となります。大切なのはそのようなチャンスがあることを知ることです。ここでは、社会人から大学編入をして教育を学びたい方に向けて、基本的な情報をお伝えしていきます。社会人経験者だからこそ教育に活かせることもありますので、ぜひ参考にしてください。
社会人から教育学部の編入を志望するのはどんな人?
一度社会経験を経て、教育学部に興味を持ったり、実際に編入試験に挑戦したりする方々はどのような人なのでしょうか。ここでは大きく3つのパターンを紹介します。いつか教育学部の編入試験に挑戦するとき、志望動機をいかに明確に試験官に伝えられるかが大事になりますので、以下のパターンを見ながら、自分はなぜ教育学部に編入したいのか、気持ちを整理してみましょう。
子どもと関わりを持ちたい人
純粋に子どもと関わる仕事がしたい、教師不足で1人あたりの負担が増えている現場の先生の負担を軽減したい、という想いを持つ志望者がいます。また、幼稚園の先生になりたい、特別支援学校で子どもの学習をサポートしたいと職場を含めて具体的に考える人もいます。
学力低下を懸念する人・指導力を高めたい人
子どもの学力低下に危機感を覚えたり、教育の現場の指導力不足を何とかしたいと考える人も多いです。子どもにとっては教育が財産になるわけですが、残念ながら現在の教育現場には様々な問題が生じています。その結果が子どもの学力低下で、原因の1つが指導力の不足だといえるでしょう。学力低下は、将来の国力低下に繋がり得るので、この状況を見て危機感を覚える人がいるのは当然です。
教育学部の編入を知って、自分も何らかの形で教育の現場に貢献したい、そういう社会人が教育学部への編入を志望する傾向にあります。
子どもに影響を与えられる人になりたい
理想の教師像、自分なりの教育を信じて挑戦したいという人もいます。ただし、社会人から編入する人の場合は、現実を見た上で教育の現場に貢献したいと考える傾向が見られます。
また、誰しも学生生活を振り返ると、良くも悪くも記憶に残る先生がいるのではないでしょうか。学校生活の思い出が満足ばかりだという人は、楽しい記憶に出てくる先生を理想の教師像として教員を目指したり、教育学部を選択します。一方で、楽しい思い出が少なくて先生に対する反抗的な態度ばかりを思い出す人は、その先生を反面教師に、自分の理想を追求しようとするでしょう。
筆者は教育学部卒ですが、編入生とたまたま同じグループになって講義を受けていた時、こんな理由を話してくれました。「昔勉強をせずに社会人になってから後悔して、自分と同じ思いをする人を減らすべく、先生になって役立ちたい」、このように様々な理由から編入を希望する人がいます。
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教育学部の特徴と魅力
日本の教育学部の歴史は戦後にまで遡ります。学校教育法の成立、かつて存在した学芸学部が教育学部へ改組、教員大量退職時代など…多くの歴史を経て現在に至ります。
時代に合わせて変化してきた教育学部ですが、教員採用試験の倍率低下にも見られるように、近年は教員のなり手不足が深刻化しています。つまり、教育に興味を持って教員を目指す人は、教育学部の編入をすると歓迎して迎え入れられるので、今は最大のチャンスといえます。
それでは、教育学部にはどのような魅力があるのでしょうか。この中のどれか1つでも心惹かれる内容があれば、あなたは教育学部に向いているでしょう。
カリキュラムに沿えば免許取得できる
教育学部は教員を目指そうとする人が選ぶ学部で、端的にいえば教員に必要な教育学を学ぶ場です。一般的に、大学が与えるカリキュラムに沿って学問を学び実習を経たら、その流れで卒業と同時に免許を取得することが可能です。独学で何か資格を取得しようと思うと、かなりの体力・精神力を要しますが、教育学部に入れば、授業を受ければ自動で教員免許を取得できるので、自分で勉強するのはハードルが高い…という方にも易しい学部となっています。
教育実習で実践的に学べる
教員養成課程は教育実習が必須ですが、そこでは人と関わり人に影響を与えることを学びます。いざ、教員採用試験に合格して、実際の現場に立った時に怖気づくことなく、自信を持って子どもと向き合い、教育に関わる人材を育て上げるのが教育学部の役割です。
教員は現役であり続ける限り学び続けなくてはいけませんし、壁にぶつかったり悩んで乗り越えることも求められます。その力となる知識や技術を教育実習で実践的に学んで身につけていけることこそが、教育学部の魅力と言えるでしょう。
教育をするのは「学校」だけじゃない
教育学部の面白いところは、「学校」に必要な教育だけ勉強するのではなく、家庭教育や、社会教育についても学べるところにあります。これにより、真っ直ぐ教員を目指すこともできますが、教師以外の方法で教育に貢献できる選択肢も手に入ります。例えば、自治体や行政、民間企業においても教育に関わることができるので、教育学部は幅広い可能性とチャンスを与えてくれる学部だといえます。
研究職に進む道もある
数ある大学の中には、現場での戦力を育てる教育学部だけでなく、研究職で教育に貢献する人材育成に力を入れるところもあります。実際に教育学部に身を置けば、学校の先生はただ教科書の内容を子どもに理解させるだけの存在ではないと分かります。時に子どもを教え導いたり、人生観に触れることもあるでしょう。勿論、教科書の見方や教え方も学ぶことになりますが、教科書を使った学習はあくまでも教育の一部で、教育学部で教えられ学ぶ一端に過ぎないです。もっと詳細に教育そのものを探求することで、先人が積み上げてきた内容や、自分で考える力が身につく教育学部は魅力的です。
教員免許は学校以外にも役立つ!
教員免許は、先生になる為の免許というより、「学校の先生にもなれる」免許と捉える方が正しいです。教員免許と聞くとまず浮かぶのが学校の先生ですが、実は学校以外にも役立つものです。次に紹介する職業を参考に、将来自分がなりたい姿を具体的にイメージしてみましょう。
塾講師・予備校の講師
塾講師になれば、学校のように複数の生徒に指導したり、個別指導で生徒の特性に合わせたカリキュラムを作り、それに沿って指導することもできます。受験生が集まる予備校でも指導できるので、学生の受験を後押しすることにやりがいが感じられるでしょう。
ところで皆さんは塾に通った経験はありますか?筆者は中学生の時に通った経験があるのですが、あの頃は学校の先生との違いがよく分からずにいました。塾や予備校は、学校の先生と違い、必ずしも教員免許が求められるわけではありません。なので教員免許を持っていなくても講師になることは可能ですが、持っていた方が面接に受かりやすかったり優遇されやすくなるメリットがあります。
家庭教師
家庭教師も教員免許が役立つ代表格と言えるでしょう。特に親御さんにとっては、免許を持っているか否かで、信頼の置き方が違ってきます。家庭教師の先生に求められるものや教え方は、学校の教員とも塾の講師とも異なるので、教員免許を持っているからといって、楽にできる仕事では決してありません。その分、家庭教師という環境の中で学ぶことも大きいです。
会社の人材育成
一般企業においても、人材育成や指導に関わる場面で教員免許は役立ちます。ただし、会社の仕事内容によっては、学校で子どもに授業をするのと大きく勝手が異なる場合もあり、教育学部で学んだことに加えてプラスアルファの知識が必要になることもあります。
とはいえ、教育学部の経験がない人と比べれば雲泥の差であり、会社の人事部からは教員免許を持つ人は専門家と認識されます。学んできたことが活かせますし、教育を知る立場から意見を言える機会も増えるでしょう。
役所の中でも活かせる
教員は公務員の一種ですが、例えば市役所職員など、一般的な公務員の立場から教育に携わることもできます。かくいう筆者も、教員免許を取得したのちに役所職員を経験しており、教育委員会にて専門知識を存分に活用したことがあります。子どもたちの海外研修やボランティア活動など、社会にも目を向けながら教育に携われたことは、貴重な経験でした。
教育系の大学で可能性を広げよう
教育系の大学で学ぶことは、人づくりを知ることに繋がり、教員を目指せたり学校以外でも活躍でき、可能性の幅が広がります。
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社会人でも大学編入から道が開けるので、あなたはどんな教育者を目指したいのか、それが明確になったら、大学編入の道へ一歩踏み出しましょう。