中高年から新しい扉を開きたい、失業してしまった、色々な背景を抱えて、皆さん本記事に来られたことと思います。安定した職業に就きたい人であれば誰でも利用できる制度が、職業訓練です。条件次第では無料で利用することもでき、幅広い分野のコースの中から希望のスキルや知識を学べます。
ですが中高年向けの職業訓練は、実際どの程度充実しているのでしょうか。今回は職業訓練の年齢制限について、中高年の方におすすめしたい、職業訓練コースを6つ解説します。
年齢を問わず職業訓練を受けられる?
原則として年齢や性別の制限はなし
職業訓練が政府によって提供されている目的は、求職者の早期再就職を可能にすることです。職業訓練はハローワークに求職の申し込みをしている人が対象であり、原則として年齢や性別の制限は設けられていません。
ただし再就職先が受け入れる可能性が少ない職業訓練コースでは、年齢制限が設けられていることがあります。たとえば企業実習つきの訓練コースは、55歳未満が対象のケースが多いです。また、中には30歳未満の若年者を対象にしたコースなどもあります。
中高年は職業訓練のコース選びに注意
職業訓練の目的は、求職者の早期再就職です。そのため求人で20~30代の若者を中心に募集している分野のコースを選んでも、中高年が再就職できる見込みは薄いでしょう。実際に受講したくても、ハローワーク職員の理解を得られない場合もあります。
たとえばプログラミングやWebデザイン関連は、仕事を獲得する際に専門性の高いフリーランスが競争相手になる分野です。キャリアを積むまでは低単価で徹夜をしてでもやり抜く覚悟がなければ、途中で挫折する可能性があります。職業訓練で習得したことを無駄にしないためにも、コース選びは慎重に行いましょう。
ですがご安心を。東京都では高年齢者の科目が設定されています。45歳以上の受講を想定した職業訓練コースですので、就職先をイメージする際に参考にしてみてください。
フリーランス・自営業を廃業した人も受講可能
ハローワークの職業訓練は2種類あり、フリーランスや自営業を廃業した人でも受講できるものがあります。テキスト代は自己負担となるものの、受講料は原則無料で多数のコースで学べるのがポイントです。
ハロートレーニングの種類 | 対象 | 職業訓練の検索先 |
公共職業訓練 (離職者訓練) | ハローワークで求職申し込みをした、主に雇用保険受給中の人 ※未就職卒業者を含む | ハロートレーニング コース情報検索 地域情報は各都道府県労働局ホームページへ |
求職者支援訓練 (求職者支援制度に基づく認定職業訓練) | ・ハローワークで求職申し込みをした、雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でない人 ・雇用保険の適用がなかった離職者 ・フリーランスや自営業を廃業した人 ・雇用保険の受給が終了した人など | 求職者支援訓練 認定コース情報 地域情報は各都道府県労働局ホームページへ |
雇用保険の加入期間などの条件によっては、キャリアアップを目的とした「教育訓練給付制度」の対象になることがあります。職業訓練のように無料では受講できませんが、平成26年10月1日から給付内容が拡充されているのでチェックしてみてください。
「求職者支援制度」は、介護や子育てなどブランクのある人が再就職や転職、スキルアップを目指すための制度です。一定の要件を満たせば訓練を受講している期間中、1か月ごとに職業訓練受講給付金が支給されます。
給付金に含まれるものは、訓練受講手当、通所手当、寄宿手当です。
中高年におすすめの職業訓練コース6つ
ここでは、40代50代が再就職を目指す際に役立つ職業訓練コース6つをご紹介します。
1. 造園土木施工コース
緑地や公園の施工・維持・管理に役立つ造園土木について学ぶコースです。訓練内容には、ブロック塀・園路などの施工や剪定などの植栽管理が含まれており、実習で土木作業や機械操作も経験します。
訓練内容がそのまま現場の仕事に生かせるので、気持ちにゆとりをもって再就職に臨める点がポイントです。体を動かす作業ばかりでなく、CADを使って製図を行うこともあります。
主な就職先は、造園会社、造園設計コンサルタント会社や公園管理団体などです。
2. ビル管理技術コース
ビル管理は、高層ビルが建ち並ぶ都市部ほどニーズの高い職業だといえるでしょう。現地で行う施工実習などを通じて、ビルの各種設備を正常な状態で維持・管理する技能を習得するコースです。
メンテナンスを担当する設備には電気、エアコン・ボイラーなどの空調、給水・排水などの衛生設備などが含まれます。業務に従事する場所は、一般のオフィスビル、スーパー、百貨店、病院、学校、ホテルなどです。
実際の仕事内容は、巡視・点検業務や修理・交換といったトラブル対応など比較的軽作業が多いため中高年も対応できます。ただしビルオーナー、テナント従業員やテナントのお客さまの対応も必要なケースがあり、接遇能力が求められる点に注意が必要です。
個人の意欲に応じて、訓練期間中に習得した技術・技能を活かした設備管理に関する幅広い資格取得も目指せます。
3. 介護サービスコース(介護労働講習)
福祉施設において、福祉サービス利用者の日常生活全般にまつわる援助を行う施設介護職員を育てるコースです。団塊の世代が75歳以上となる2025年に日本は高齢化のピークを迎えるため、介護サービスへのニーズは今後も伸びると予想されます。
「介護福祉士実務者研修」の資格取得は未経験者も取り組みやすく、地方においても求人が多い点がメリットだといえるでしょう。雇用保険受給者向けには「介護労働講習」が用意されています。
「介護福祉士実務者研修」は国家資格である介護福祉士を目指すために必須の資格です。そのため資格取得後は実務経験3年を積むことで、将来的にキャリアアップも目指せます。
4. ビジネスパソコンコース
ビジネスに必須とされる実務レベルのMicrosoft Officeアプリケーションのスキルを身につけるコースです。ビジネス資料作成やプレゼンテーションほか、ビジネスマナーなど再就職に役立つスキルを全般的に学びます。
今まではパソコンスキルを必要としない仕事に従事していた人でも、仕事の範囲を大きく広げられる点がポイントです。MOS(Microsoft Office Specialist)を取得すれば、パソコン業務に強いことをアピールできます。
当ブログでは、職業訓練校を受験するにあたって、試験官に刺さるオリジナリティ溢れる願書を最短3日で作成できる「願書最強ワーク」を取り扱っています。このワークに取り組めば、自分の魅力を簡潔に伝えるポイントが分かるので「職業訓練校受験のために使った後も、転職活動の時にも役立った」と、8割の方がご利用くださっています。最小投資で志望校の傾向に合わせた対策ができる「志望校別・合格レベル問題集」も併せてご活用ください。
5. 医療事務コース
医療事務は、必要とされる知識と技能があれば長く働き続けやすいため人気の職種です。
コースでは窓口対応、システム操作、診療報酬請求事務などを学びます。
求人を見ると資格取得はとくに求められていませんが、取得しておけば病院やクリニックが求める人材に近づくことができます。基本的に地域性を問わず医療機関があればどこでも働けるので、家族の転勤が多い人にもおすすめです。
6. キャリアサポーター養成コース
経験豊富な中高年のイメージにマッチするのが、国家資格のキャリアコンサルタントを目指し知識や実技を学ぶコースです。ほかにコースで習得した知識や技術を活かして「メンタルヘルス・マネジメント検定」の合格も目指せます。
受講にあたっては、ハローワーク担当者との面談で受講許可を得る必要があります。
コースを通じてコミュニケーション能力が高まるため、就職先は企業の人事労務部門、販売・営業職、介護職などさまざまです。人材派遣業でも、専門性が身につくキャリアサポーター養成コースの訓練内容は高く評価されています。
選考試験を突破して職業訓練で仕事の幅を広げよう
おすすめの職業訓練を6つご紹介しましたが、実際に職業訓練を受けるためには、選考試験に合格する必要があります。
中には倍率が高い職業訓練コースもあるため、訓練実施機関による面接や筆記試験に合格するには事前対策が必要です。当ブログでは、学校別に出題傾向を合わせた「学校別・合格レベル問題集」を取り扱っていますので、ぜひ「職業訓練試験サクセス」より、ご活用ください。
職業訓練校を受験することが決まれば、以下の記事で対策を進めましょう。求職者が、受講料無料でさまざまな技能や技術を習得できる職業訓練は、大変注目を集めています。選考試験に合格するために、職業訓練の倍率、試験内容やその難易度、試験対策を解説しています。