教員は、基本的に毎日子どもたちと同じスケジュールで行動をするため、休みがないという印象を皆さん持ったうえで、採用試験を受けるか検討されていると思います。
子どもの時を振り返ると、「今日は先生休みか~」という日があったかと思います。教員は時間がない中で、どのように休みをとってリフレッシュしているのでしょうか。
そこで今回は、小学校教員の一日の流れや仕事内容及び休みの現状を解説します。
小学校教員は時間がない?仕事内容や勤務時間とは
教員の仕事が忙しい理由について理解するために、ここでは小学校教員の仕事内容や勤務時間を解説します。
小学校教員の仕事内容やタイムスケジュール
小学校教員の仕事内容は、学習面の指導だけでなく、それにともなう準備や家庭や地域との連携など非常に多岐に渡ります。一般的な小学校教員の仕事内容は次の通りです。
- 児童よりも早く出勤
- テストの採点や宿題の丸付けなど
- 授業(国語、算数、理科、社会、音楽、図工、体育、道徳など)
- 各種会議
- 研修
- 保護者対応
- 清掃
- 授業の準備(指導計画の作成やプリントなどの教材づくりなど)
- 行事準備(設備の準備や課外授業の下見など)
- 成績付け
- クラブ活動の指導
- 地域活動
小学校教員のタイムスケジュールは、学校や地域により異なりますが、例として次の通りになります。
時間 | 仕事内容 | 教員の行動 |
7:30 | 出勤 | 朝のあいさつ運動や授業の下準備 自教室の整理など |
8:00 | 職員会議 | 一日の予定を確認 学年ごとにクラスへの連絡事項を確認 |
8:15 | 朝読書・朝学習 | 宿題の丸付けなど |
8:30 | 朝の会 | 出欠確認や連絡事項の伝達 児童の様子を確認 |
8:45 | 授業(1~2時間目) | 学習指導など |
10:20 | 業間休み | 職員室に戻り休憩 |
10:45 | 授業再開(3~4時間目) | 学習指導など |
12:20 | 給食 | 配膳や食事の指導をし、児童と一緒に給食を楽しむ |
13:00 | 掃除活動 | 児童と一緒に自分の教室を中心に、特別教室、階段などの掃除を担当する |
13:30 | 昼休み | 職員室に戻り休憩を取ったり、児童と一緒に遊びながら様子を注視したりする |
13:50 | 授業再開(5~6時間目) | 学習指導など |
15:00 | 帰りの会 | 明日の連絡事項などを確認 |
15:10 | 放課後 | 下校指導 クラブ活動の指導 会議や研修 授業の準備 保護者対応 事務処理など |
19:00 | 退勤 | 残業となる場合が多いため、本来の退勤時間である17:00に帰れることは少ない |
児童が登校してから下校するまでの間は、業間休みや昼休みに数十分程度まとまった休みを取ることができますが、基本的に児童と同じタイムスケジュールで行動します。
小学校教員の一日の勤務時間は?
小学校教員の勤務時間は、8:00~17:00の間が基本的な勤務時間とされています。児童が登校する前に職員会議を行い、9:00~15:00までは授業、児童の下校後は事務作業を行うのが一般的です。
小学校教員は、ほとんどの科目を一人で担当するため、日中は児童と過ごす時間が大半です。そのため、事務処理や保護者対応など、児童の下校後にしか対応できない業務をこなすために、日常的に残業が発生してしまうことがあります。また、児童の登校の見守りや、授業の事前準備を行うために朝早く出勤する日もあるため、勤務時間通りに行かないのが現状です。
小学校教員に休みはある?
小学校教員は児童が登校している間は休みが取れるのか、教員を目指す方の中には疑問に思う方もいるでしょう。ここでは、小学校教員の休みについて、勤務中の休みや残業事情、休日や有給休暇などを解説します。
授業がない時間の過ごし方
小学校では授業のコマ割りを年度初めに全体で共有される場合がほとんどです。そのため、空きコマがあれば、会議や面談などの予定で埋まってしまうことが少なくありません。会議や面談などがなく、突発的な事象なども起こっていない状態で、初めて空きコマを自由に使うことができます。
空きコマができた場合も、休み時間として過ごすことはほとんどなく、授業の準備や宿題や提出物の確認、事務作業などの業務に時間を充てています。
小学校教員の昼休み
昼休みは、基本的に児童と一緒に教室などで昼食を取ります。給食の配膳や片付けなどは、低学年の場合は教員の手伝いが必要となることが多いですが、児童が主体となって行うのが基本です。教員は、配膳や片付けをしっかりとできているか確認をし、食事を通して児童とのコミュニケーションを深めていきます。
昼食後は30分ほど昼休みとなりますが、実際にはゆっくり休みを取るのは難しいです。児童は教室や校庭などで遊ぶ時間となるため、ケガなどのトラブルがないよう、児童の動向を注視していなければなりません。
教員に与えられる休日や休暇
小学校教員の休日は、基本的に児童の休日と同じになります。学校法人など私立小学校の場合は、休日や休暇は学校ごとに異なる場合がありますが、公立の小学校では、基本的に土日・祝祭日・年末年始が休日です。また、公立小学校の教員は地方公務員となるため、年次有給休暇や病気休暇、特別休暇や介護休暇が取得できます。
年次有給休暇は、自治体にもよりますが、採用された年を除いて原則年間20日までの取得が可能です。また、夏休みなどの長期休暇は、児童が休みでも教員は通常出勤となります。ただし、特別休暇として5日間の夏期休暇が与えられているため、お盆期間などが休暇となる場合が多いです。
有給休暇は取れる?
教員にも有給休暇が付与されていますが、現実的になかなか取得できていない状況があるようです。2016年に文部科学省が実施した教員勤務実態調査によると、教員が1年間で取得した有給休暇の平均日数は、小学校で11.6日、中学校で8.8日となっています。
有給休暇を取得すると、他の教員に埋め合わせをしてもらったり、場合によっては授業を自習にしたりする必要があるため、学期中に取得するのは難しく、休み期間中にまとめて取得するケースが多くなっています。
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小学校教員の授業以外の仕事内容
小学校の教員は、ほとんどの科目を一人で受け持つことになりますが、仕事内容としてはそれだけではありません。授業以外でどのような仕事があるのかについて解説します。
授業の予習やテストの採点
授業をするためには、下準備や練習が必要です。下準備としては、図やグラフなど取り入れてオリジナルのプリントを作成や、練習問題やまとめ問題などの作成などがあります。練習として授業の進め方や板書のシミュレーションも欠かせません。
また、宿題プリントや定期的に出される漢字の書き取り帳や計算ノートなどの丸付けやチェック、テストの採点もあります。授業中や授業の合間に行うのは難しいため、授業外の時間に時間を取って行う仕事です。
行事の準備や地域活動など
運動会や学習発表会、クラス懇談会など、定期的に開催される行事の準備も教員の仕事です。設備や資料の準備はもちろん、校外学習がある場合は、スケジュールを組んだり、現地まで下見に行ったりします。
また、地域活動への協力が求められることも少なくありません。夏祭りや花火大会など地域のイベントがあるときには、児童がトラブルに巻き込まれないように、見回りに行くこともあります。地域にあるゲームセンターやカラオケなどの娯楽施設や、交通安全指導員などと連携をとり、地域として児童の安全を見守ってもらえるように働きかけるのも教員の仕事です。
保護者対応
新学期が始まると、各家庭の予定を把握し、放課後に家庭訪問を実施したり、保護者に来校してもらい面談を実施したりして、児童の様子を保護者に伝える機会を設ける学校が多いです。また、学習習熟度に関する心配や、いじめなどの問題がある場合は、時期にかかわらず個別で保護者と面談を行います。
また、小学校には大勢の児童がいるため、学校内外に関わらずさまざまな突発的なトラブルに巻き込まれることも少なくありません。休み時間や授業中にケガの手当をした場合、保護者への連絡が必要になることも多いです。
このほか、PTA総会や役員会議などに教員も参加する場合もあり、保護者向けの対応にも時間が必要となります。
教員は忙しい中をうまくやり繰りして休みも取っている
教員は忙しい、休みが取れないという印象はありますが、教員同士で譲り合ったりしながら、上手に休みを取ってリフレッシュしています。授業がない日や長期休暇をうまく活用しながら、バランスの良い働き方を目指しましょう。
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