教員採用の一次試験対策を徹底解説!社会人も目指せる、一般・専門教養の攻略法

キリがない!?教採一次試験3種の教養試験の攻略法

現在、文部科学省では教員の充実を図るために、また、多様な経験のある人材を求めて、社会人経験者を対象とした選考を重視しています。条件が緩和される前までは、教員になるために教員免許が必要でした。しかし各都道府県の教育委員会でもさまざまな取り組みを行っており、社会人から教員を目指すルートが確立しています。

そんなチャンスを逃さないために、今回は、社会人で教員を目指そうという方のために、教員採用試験の一次試験を攻略するポイントや対策を解説します。

社会人が教員採用試験を受験するときの大事なポイント

三人の人が横並びで講義を受けている

教員を目指す場合、大学で勉強して教員免許を取得するのが一般的です。しかし、社会人になって他の仕事を経験してからでも教員を目指すことは可能です。社会人が教員採用試験を受けるときに気をつけたいポイントを3つ説明します。

受験資格をチェックする

教員になるには教員採用試験に合格しなければなりませんが、試験には受験資格があります。事前に受験資格をチェックしてください。受験資格は次の3つです。

教員免状取得済み、または取得見込みであること
年齢制限受験可能年齢に上限がある(自治体によって異なる)
欠格事項・18歳未満 ・高等学校を卒業していない者(大学卒業認定資格は除く) ・成年被後見人、または被保佐人 ・禁固以上の刑に処せられた者 ・懲戒免職処分により教員免許の効力を失い、失効日から3年経過しない者 ・法令違反などで教員免許取り上げ処分を受け、処分から3年経過しない者 ・政府を暴力で破壊しようとする政党や団体を結成、または加入した者

欠格事項は表示した項目の1つでも該当した場合は、教員採用試験を受けることができません。

令和2年度の教員採用試験では、年齢制限を設けていない教育委員会の数は47で、前年度より6つ増えています。新たに制限を撤廃したのは、岩手、福島、山梨、愛媛、佐賀、大分の教育委員会です。年齢制限を設けている教育委員会のうち、最も低いのが39歳で、東京都と奈良県です。

また、社会人で教員免許がなくても、新たに取得できます。それについて説明します。

社会人が教員免許を取得する方法

教員採用社会人が教員免許を取得するには、2つの方法があります。新たに大学へ入り直さなくても、仕事をしながら取得できるのがメリットです。

取得方法取得方法詳細取得までの期間
通信制大学教職課程のある通信制大学に通う最短で2年
科目履修生大卒者の場合、教職課程に必要な単位だけを取る最短で1年

通信制大学の場合、実習以外の単位はスクーリングや課題レポートなので、働きながら教員免許が取得できます。

科目履修生の場合は大卒(短大卒)で、在学中に教職課程の単位をある程度取得している必要があるでしょう。

教員免許がなくても教員になれる方法

一般的には大学や短大で教職課程を勉強して教員免許を取得するのですが、教員免許がなくても教員になれる方法が3つあります。教員資格認定試験、社会人選考、特別選考について説明しましょう。

免許取得方法取得方法詳細
教員資格認定試験大学などで教職課程を取らなくても認定試験を受けられる
社会人選考優れた技能や豊富な社会経験があれば試験を受けられる
特別選考スポーツや芸術等、優れた資質を有する人が対象になる

教員資格認定試験は、教員確保を目的として、広く一般社会に人材を求めるために設けられた試験です。教職課程を取らなかった社会人でも受験できます。

社会人選考は、教員の資質向上を目的として、特に優れた技能や豊富な社会経験を有する人材を教員に登用するための試験です。

特別選考は、スポーツや芸術分野などで優れた資質を持っている人を教員に登用する試験で、特定の資格があれば試験の一部を免除されることもあります。例えばスポーツや芸術分野以外では、英語の資格、国際貢献活動経験、社会人経験などです。

特別選考には、特別非常勤講師、特別免許状取得、臨時免許状取得という3つの種類があります。

特別選考の種類内容
特別非常勤講師専門分野の方が都道府県教育委員会に届けを出して認められたら、非常勤の講師になれる
特別免許状の取得優れた知識や経験を有する社会人に与えられ、教諭として採用される
臨時免許状の取得教員数が足りないとき例外的に授与される免許状で、助教諭として採用される

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教員採用一次試験の傾向と対策

ペン先がオレンジのシャープペンで問題を解いている

教員採用試験は各都道府県や自治体によって試験内容が違います。共通しているのは一次試験と二次試験があり、一次は筆記試験で二次は面接や模擬授業、実技試験が行われるということです。

ここでは一次の筆記試験でどのような問題が出題されるのか、その傾向と対策について説明します。

一次試験に出題される教養試験とは

一次試験に出題されるのは教養試験ですが、教職教養、一般教養、専門教養の3種類があります。各自治体によって出題配分や出題分野は違いますので、事前の確認が必要です。それぞれの分野に含まれる科目と出題内容について説明します。

試験分野試験科目試験内容
教職教養教育原理、教育法規、教育心理、教育史、教育時事教職についての専門知識、教育手法、教育関連の法律などから出題
一般教養人文科学(国語・英語・芸術)、社会科学(歴史・地理・政経・倫理)、自然科学(物理・化学・生物・地学・数学)中学から高校の学習範囲や時事問題など出題範囲が広いが、基礎レベルの問題から出題
専門教養全教科(小学校の場合)、担当する教科(中学・高校の場合)教科の指導力を問う出題

教職教養試験は、教師として身につけておくべき教養について問われます。文部科学省や中央教育審議会(中教審)の答申や通知に関する出題に注意が必要です。

一般教養試験は、人文科学・社会科学・自然科学の幅広い分野から出題されます。また、時事問題や各自治体が抱えている問題に関する出題が増えています。

専門教養試験は、志望する校種によって出題が異なります。小学校の場合は全科、中高の場合は各担当教科からの出題です。

教職教養を攻略するための傾向と対策

教職教養の試験では、教育法規、教育原理、教育心理、教育史の4つが出題されますので、それぞれの攻略対策について説明します。また、教育時事についても押さえておく必要があるでしょう。

試験分野出題傾向試験対策方法
教育法規出題範囲が限られている重要法規集を自作し、学習しながら法規を書き込んでいく
教育原理六法からの出題が多い法規条文は六法で参照し、ラインを引く。何度も参照する項目は重要条文とわかる
教育心理・教育史教育用語や人名が多く出る自作の教育用語・人名ノートを作成し、各人の成果などをまとめる
時事問題教育界の動きが出題される教育に関する記事(新聞・ネット)をファイルにスクラップする

一般教養を攻略するための傾向と対策

一般教養は人文科学、社会科学、自然科学といった幅広い分野から出題されますが、自治体独自の時事問題や地域の問題についても対策が必要です。

試験分野出題傾向試験対策方法
社会科学・自然科学自治体によっては偏った分野での出題が多い直近5年間の出題傾向をチェックする
人文科学多くの自治体で漢字の読み書きが出題される漢字ドリルを活用し、四字熟語や語句の意味をしっかり理解する
幅広い分野全般高校入試レベルの出題が多い高校入試問題集を使って、教科ごとに何度も解いて理解する

専門教養を攻略するための傾向と対策

専門教養は自分が担当する教科全般から出題されます。大学のセンター入試、および大学教養課程の基礎レベルといわれており、指導方法についての問題には要注意です。

試験分野出題傾向試験対策方法
教科全般教科ごとに問題数が異なり、出題分野に偏りがある直近5年間の出題傾向を確認し、要点をまとめる。
指導力学習指導要領から出題されることが多い教科の目標、学年の目標、教科の指導内容などを確認し、学習指導要領関連の資料を読む

社会人が教員採用試験で合格を目指す勉強法2選

右に付箋、中央にペン奥には教科書

教員採用試験の一次試験は筆記試験です。社会人が独学で合格を目指す場合の勉強法について説明します。

過去問を繰り返し解く

教員採用試験は各自治体によって一次試験の内容が違います。重要なポイントは、自分が受験する自治体の出題傾向を分析することで、そのために役立つのが過去問です。

出題傾向を分析するためには直近の過去問の5~6年分を解く必要があります。繰り返し解くことで出題傾向が身につき、さらに受験対策用の参考書や問題集と照合して同様の問題をチェックしてください。チェックの多いページが自治体の出題傾向だとわかります。

学習指導要領の勉強法

学習指導要領は分厚くて分冊になっているので、勉強のやり方に戸惑う方が多いようです。ここでは、3つのポイントを押さえた学習指導要領の勉強法を説明します。

  • 「前分」をチェックして学習を進める
  • 学習指導要領の改定をチェックする
  • プログラミング教育をチェックする

重要な法規には「前分」が付きますから、学習指導要領でも「前分」をチェックしながら勉強すると効率的です。

また、学習指導要領の変遷について出題される場合があります。いつ改定されたのか、どのように改定されたのかをチェックして、変遷の流れを把握してください。

小学校でプログラミング教育が必修化されたので、それに関する内容をチェックする必要があります。

教員採用試験の一次試験を攻略して社会人から教員になろう

社会人から教員になる方法は意外に多くありますよね。本記事を参考に、ぜひトライしてみてください。弊社で扱っている問題集も、自治体の傾向に沿って、ゼミや通信教育を受けずとも実力を付けていける内容となっておりますので、忙しい社会人の方はぜひご活用ください。

社会人だからこそ、重点的に対策しておいた方が良い「面接対策」。しかし十分に練習できる時間や環境はなかなか取りづらいですよね。そんな方には以下の記事がおすすめです。社会人ならではの、面接対策で最低限押さえてほしいポイントを解説していますので、先延ばしにせず、早めの対策を進めましょう。


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