大学と専門学校の受験方法別の入学試験スケジュールと受験対策の方法

大学 vs 専門学校 特徴やポイントを徹底解説

大学や専門学校の受験を考えている人のなかには、試験の内容やスケジュール、受験対策の方法がはっきりとわからなくて、どのように準備を進めればよいのか戸惑っている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、大学と専門学校の受験方法や入試スケジュールの違い、受験方法の選び方、大学・専門学校それぞれの受験対策の方法を紹介します。

大学・専門学校の受験方法の種類と特徴

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大学と専門学校の入試には、それぞれ複数の受験方法があり、学校側が受験方法を選択できます。

受験方法によって、出願や試験の日程、実施される試験の内容が異なるため、受験対策のスケジュールや勉強する科目も変化します。受験対策にかけられる時間や受験する学校の数や試験日程、自分の得意な分野などに合わせて受験方法を選択しましょう。

ここでは、大学と専門学校の受験方法の種類とそれぞれの試験内容や特徴を紹介します。

大学の受験方法の種類と特徴

大学の受験方法は、主に次の3つに分かれています。

  • 一般選抜(一般入試)
  • 総合型選抜(AO入試)
  • 学校推薦型選抜(推薦入試)

それぞれの特徴や一般的な選考内容は次の表のとおりです。

受験方法受験方法の特徴選考の内容
一般選抜・主に学力試験の結果で合否が決まる受験方法
・国公立大学の一般選抜では、一次試験として大学入学共通テストを受験し、二次試験では各大学独自の試験(学科試験または小論文、面接など)が行われる
・私立大学の場合は、各大学が独自に行う学科試験で合否を決める大学と、大学共通試験を利用する大学がある
・学科試験(学校独自の試験・大学入学共通テスト)
・小論文(主に国公立大学の後期試験)
・面接(主に国公立大学の後期試験)
総合型選抜・大学が求める学生像(アドミッションポリシー)にマッチする受験生の選抜を主な目的とする受験方法
・志望理由書などの出願書類のほか、小論文や面接、プレゼンテーションなどさまざまな方法で、学力と人物像(人柄、学習に対する意欲、専攻分野との適正など)を審査する
・学科試験を実施する大学もある
・専願制が一般的
・書類審査(志望理由、在学時の成績、資格・検定の成績など)
・小論文
・面接、口頭試問
・プレゼンテーション
学校推薦型選抜・出身高校の推薦を受けて受験する方式
・どの高校からも出願できる「公募推薦」と大学側が指定する高校のみに受験枠が設けられる「指定校推薦」がある
・書類審査に加えて小論文や面接などが実施されるのが一般的
・学科試験を行う大学や大学入学共通テストを利用する大学もある
・専願制が一般的
・書類審査(志望理由、在学時の成績、資格・検定の成績など)
・小論文
・面接、口頭試問

このほかに、より対象者を絞った次のような入学試験を実施している大学もあります。

  • 専門学科・総合学科卒業生選抜:高等学校の専門学科や総合学科の卒業・卒業見込み者を対象とする入試方式
  • 帰国生徒選抜:海外からの帰国生徒を対象とする入試方式
  • 社会人選抜:社会人経験のある人を対象とする入試方式

志望校に出願要件に当てはまる受験方法が複数あり、試験日程が重ならない場合には、複数の受験方法での出願を検討してもよいでしょう。

専門学校の受験方法の種類と特徴

看護専門学校入試情報が満載専門学校の受験方法も、大学と同じように主に次の3種類があります。

  • 一般入試
  • AO入試
  • 推薦入試

それぞれの特徴や一般的な選考内容は次の表のとおりです。

受験方法特徴選考の内容
一般入試・書類選考に加えて主に筆記試験と面接で選考が行われる入試方式
・筆記試験の内容は学校によって学科の試験の場合と一般常識問題の場合がある
・適正試験や実技試験を行う学校もある
・書類選考
・筆記試験(学科、一般常識) ・面接
・実技
AO入試・受験生の意欲や適正、学校が求める学生とマッチするかどうかを重視する受験方式
・書類選考や小論文、面接が中心 ・合格後に入学前課題を出す学校もある
・書類選考
・小論文
・面接
推薦入試・高校からの推薦を受けて受験する方式
・どの高校からも出願できる「公募推薦」と専門学校側が指定する高校のみに受験枠が設けられる「指定校推薦」がある
・書類選考が主だが面接や小論文、適性検査を実施する学校もある
・専願制が一般的
・書類選考
・小論文
・面接
・適性検査

大学・専門学校の受験方法の選び方

足元の3つの矢印

大学や専門学校の受験方法を選ぶときにポイントとなるのは、以下の点です。

  • 出願条件
  • 試験や評価の内容
  • 出願・試験の日程

志望校が設定した各受験方法の出願条件を満たしていることは、受験方法選びの大前提です。そのうえで、実施される試験の内容やスケジュールをチェックしましょう。

強い志望理由があり、大学・専門学校の求める人物像に自身が合致している場合は、総合型選抜やAO入試、推薦入試など、人物評価のウエイトが高い受験方法のほうが有利になる可能性があります。

複数の学校を併願しようと考えている場合には、学科試験の成績が重視される一般選抜・一般入試を選択するとよいでしょう。専攻分野が同じ場合、学校が違っても受験科目が同じことが多く、受験対策も効率的に進められます。

また、スケジュールを精査して日程の重複などがなければ、複数の受験方式での出願も可能です。

大学・専門学校の受験スケジュール

予定の埋まらないカレンダー

受験のスケジュールは、大学、専門学校ともに受験方法によって異なります。以下に、大学と専門学校に分けて、受験方法別の出願や試験のおおよその日程をまとめました。

大学の受験スケジュール

大学受験のスケジュールは厚生労働省によってガイドラインが示されており、各大学はガイドラインに従って受験日程を組みます。

「令和4年度大学入学者選抜実施要項」に示された主な受験方法ごとの試験日程は、次のとおりです。

受験方法試験日程
一般選抜・試験期日:2月1日~3月25日のあいだ
・入学願書受付期間:試験期日に応じて決める
・合格発表:3月31日まで
総合型選抜・願書受付:9月1日以降
・合格発表:11月1日以降
学校推薦型選抜・願書受付:11月1日以降
・合格発表:12月1日以降、一般選抜の試験期日の10日前まで(大学入学共通テストを利用する場合は一般選抜の前日まで)

各大学の試験日程はガイドラインに沿う範囲で、大学ごとに独自に定められています。

一般的には、出願開始と試験がもっとも早いのは総合型選抜です。また、総合型選抜の合格発表後に出願できるタイミングで学校指定型推薦の出願期間が設定され、学校指定型推薦の合格発表後に一般選抜の出願受付がはじまるなど、複数の受験方式に出願できるように配慮がなされています。

専門学校の受験スケジュール

専門学校に関しては、都道府県ごとに出願開始の日程が決められており、各専門学校は出願スケジュールに沿って試験日程を組みます。

例えば、令和3年度の東京都の出願スケジュールは、以下のとおりです。

  • AO入試のエントリー開始:6月1日以降
  • AO入試の出願開始:9月1日以降
  • 推薦入試の出願開始:10月1日以降
  • 一般入試の出願開始:11月1日以降

AO入試や推薦入試の日程のほうが早いため、AO入試・推薦入試に合格できなかった場合には、一般入試を改めて受験できるケースもあります。

大学・専門学校の受験対策のポイント

辞書とノート

大学・専門学校の受験対策では、選択した受験方式に合わせた内容に絞って、効率よく勉強を進めることが大切です。志望校と受験方法をある程度決めて、試験の内容や1年間の入試日程を把握したうえで、受験対策のスケジュールをたてましょう。

ここでは、大学と専門学校に分けて、受験方法別の対策ポイントやスケジュールの目安を紹介します。

大学の受験対策のポイント

一般選抜で大学を受験する場合、複数の科目の学力試験を受ける必要があります。そのため、早い時期から計画的に勉強をはじめ、試験までに必要な学力を身につけることが大切です。次のようなスケジュールで、受験対策を進めるとよいでしょう。

受験のスケジュール受験対策のポイント
4~8月教科書の内容の復習など基礎力定着と苦手克服に力を入れる
9~11月過去問題、模試などに取り組み応用力を養う
12月~本番まで時間配分を意識して過去問題に取り組むなど実際の入試に則した方法で実戦力をつける

一方、総合型選抜や学校指定型推薦では、面接や小論文対策に力を入れ、慣れることが重要です。試験がはじまる時期が一般選抜よりも早いことが多いため、できれば高校2年生の終わりごろから対策に取り組みはじめると、余裕をもって準備ができるでしょう。

また、総合型選抜や学校指定型推薦では、学校から通知される1~3年生の成績評価も重要な選考基準です。高校入学時から提出物や定期テストなどで手を抜かないことも、入試に向けた重要な対策となります。

専門学校の受験対策のポイント

専門学校の入学試験の内容は、学校によってまちまちです。例えば、同じ一般入試でも、書類選考のみの場合や学科試験に加えて面接や実技試験がある場合など、さまざまなパターンがあります。そのため、志望校の試験内容を知ることが、受験対策の第一歩だといえるでしょう。

一般入試でも学科試験が課される場合は、必ず受験校の試験科目を確認し、試験科目に絞って基礎固めから応用までを本番までに終えられるような、対策スケジュールを組みましょう。

面接や実技試験がある場合は、できるだけ早めに対策に取りかかると、本番までに十分慣れることができます。AO入試や推薦入試では、小論文や面接が実施されることが多いため、重点的に対策しましょう。過去の出題テーマなどを参考に、模擬形式で対策するのがおすすめです。

専門学校のなかには、過去の出題内容を公開している学校や、入試対策セミナーを開いている学校もあります。志望校についてできるだけ情報を集めて、活用できるものはしっかり活用しましょう。

スケジュールや試験内容を把握して的確な受験対策をしよう

大学と専門学校の入学試験は、受験の方法が複数ある点では似ているものの、入試のスケジュールや試験の傾向は全く異なります。また、大学、専門学校というくくりのなかでも、学校ごとに試験の内容はまちまちです。

そのため、大学や専門学校の受験においては、志望校の試験内容を把握したうえで、適切に対策することが求められます。志望校と受験方法が決まったら、早めに試験の内容や試験日程を確認し、本番に間に合うように対策計画を立てましょう。


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