再進学のための入学試験や公務員試験など、社会人になってからも面接試験を受ける機会はあります。学校のサポートがある現役生や新卒者と違って自分で考えて対策する必要があるため、戸惑うことも多いでしょう。
今回は、社会人でもできる面接対策の方法や受け答えのポイント、社会人の面接で聞かれることが多い質問を紹介します。
社会人の面接対策のポイント
大学や専門学校の入学試験や公務員試験などのために、社会人の方が面接対策をする際のポイントには、次のようなものがあります。
- 早めに対策をはじめる
- 基本的な質問の答えを用意しておく
- 考えた答えの丸暗記はしない
- 受験する対象への理解を深めておく
- 実際に声に出して練習する
- セルフチェックをしながらブラッシュアップする
それぞれのポイントについて、以下で1つずつ解説します。
早めに対策をはじめる
学校や公務員試験などの受験対策をするときには、面接に先駆けて行われる筆記試験の対策を優先してしまいがちです。しかし、面接で合格点が取れる受け答えをするには、自己分析や受験する学校や試験の研究、面接の練習など、十分な準備が欠かせません。
万全と思えるまで面接の対策をするとなると、多くの時間を費やす必要があります。面接対策を後回しにしていると、直前で時間が足りなくなり、準備不足で本番に臨むことになりかねません。
とくに社会人の場合は仕事と並行して受験対策をする人が多いでしょう。現役生・新卒者と比べると、受験勉強に割ける時間が少ない可能性があります。そのため、筆記試験などの準備と同時進行で、できるだけ早めに面接対策を進めることが大切です。
基本的な質問の答えを用意しておく
志望動機や経歴、自己PR、長所・短所、社会人経験で得たことなど、どのような面接でも高確率で聞かれる基本的な質問に関しては、しっかり答えられるように事前に準備しておくことが大切です。 答えを書き出してみるなどして、あらかじめ用意しておきましょう。
考えた答えの丸暗記はしない
質問に対しスムーズに答えるためには、事前にある程度の答えを用意することは必要ですが、覚えるのは要点だけで十分です。考えた答えを丸暗記すると、淡々と読み上げるような受け答えになりやすく、実感や熱意が相手に伝わりづらくなるからです。場合によっては、模範解答を丸写ししたようにとられてしまう可能性もあります。
必ず伝えたい大切な部分だけ覚えておき、つなぎはその場で自分の言葉を使って話すことができれば、より実感を伴って伝わる受け答えになるでしょう。
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熊本県 E・Sさん
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受験対象に対する理解を深めておく
面接を実施する目的には、受験者の熱意や意欲、適性を見ることがあります。受験する学校や専攻分野、職種などに関する興味関心や強い目的意識、適性などがあると面接官に感じてもらうには、突っ込んだ質問にも自分の言葉で答えられるだけの知識が必要です。
浅い知識で面接に臨むと「◯◯の分野に関して感じている問題は何か」「志望理由に◯◯をやりたいと書いてあったが、具体的な取り組みを聞きたい」といった質問をされたときに、言葉に詰まったり、上辺だけの受け答えに終始したりするおそれがあります。そうなれば、面接官によい印象は与えられません。
志望理由に書いたことに関しては、掘り下げて質問されることがあるため、とくに関連知識を深めておきましょう。
実際に声に出して練習する
面接対策をする際には、想定される質問に対する回答をイメージしたり、紙に書いて整理したりするだけでなく、実際に声を出して話してみることが大切です。頭のなかではスムーズに話せていても、声に出して話すのは意外と難しいことに気づくでしょう。
声に出して練習をするときは、次のポイントを意識しましょう。
- 声のボリューム
- 話すスピード
- 回答の長さ
面接官が聞き取りやすい音量と速さを意識して、1つの回答を1~2分程度にまとめて話せるように練習するとよいでしょう。
セルフチェックをしながらブラッシュアップする
声に出して練習する際には、スマートフォンなどで自分が話す様子を録画しておくと、あとからセルフチェックできます。また、家族や知人などの第三者を面接官に見立てて、本番形式で練習をし、気になる点を指摘してもらってもよいでしょう。
主なチェックポイントは、次のとおりです。
- 姿勢や表情、視線などに相手を不快にさせるところはないか
- 相手に伝わる声の大きさや速さで話せているか
- 質問と回答にズレがないか
- 回答が長すぎないか
- 覚えたことを思い出そうとして考え込んだり棒読みになったりしていないか
セルフチェックに自信がないときや協力者を見つけられないときは、面接対策講座やハローワークの模擬面接サービスなどを活用するのも、ひとつの方法です。
社会人の面接でよくされる質問
社会人を対象とする面接でよく聞かれる質問には、次のようなものがあります。
- 志望理由
- 自己PR
- その(学校、自治体、職種など)を選んだ理由
- ほかの(学校、自治体、職種など)も受験しているかどうか
- キャリアの途中で(再進学・転職)しようと思った理由
- 社会人生活で学んだこと
- 合格後(卒業後)のキャリアプラン
最低限、上記のような質問に関しては、どのように答えるか、あらかじめプランを練っておきましょう。また、受験する分野によってもよく聞かれる質問には傾向があるため、事前に過去の事例などを確認したうえで、回答を考えておくのがおすすめです。
社会人の面接の受け答えのポイント
面接の受け答えでウソを話す必要はありませんが、面接官にネガティブな印象を与えないような配慮は必要です。また、回答に説得力を持たせる工夫をすることも、大切なポイントとなります。例えば、次のような点を意識するとよいでしょう。
- 基本的なマナーをおろそかにしない
- 分かりやすい話し方をする
- 前職を下げる発言はしない
- 志望理由は前向きな内容にする
- 自分だけのエピソードでアピールする
以下で、それぞれ解説します。
基本的なマナーをおろそかにしない
面接にはその人の人柄を見るという側面があります。そのため、基本的なマナーを守ることを意識するのは、評価を下げないための大切なポイントです。次のような点を意識しましょう。
- 清潔感のある服装、髪型で臨む
- 入室時のノックやあいさつをきちんとする
- 視線を面接官に向けて話す
- ハッキリとした声で話す
- 正しい言葉遣いをする
分かりやすい話し方をする
受け答えは、長くなりすぎないよう、要点を中心に簡潔にまとめましょう。ダラダラと長く話すと、要点がわかりづらく、聞き手にとっては苦痛です。
結論を先に述べる、はじめにポイントを明示するなど、伝えたいことが的確に伝わる話し方を心がけると、好印象を与えられます。
前職を下げる発言はしない
転職面接などでもよくいわれることですが、前職(現在の勤務先)について悪く言う行為は「新しい環境でも不平不満を言いかねない人」として、面接官にネガティブな印象を与える可能性があります。
前の環境を下げて受験先を持ち上げるのではなく、「前職に問題はないが自分が本当に目指したいところとは異なっていたため、思い切って新しい環境を目指した」という文脈で話すとよいでしょう。
志望理由は前向きな内容にする
社会人からの再進学や公務員試験などへの挑戦を回り道だと考えて、後ろ向きな気持ちを抱く人も、なかにはいるかもしれません。しかし、志望理由としてネガティブなことを話してしまうと「意欲の薄い人」と評価される危険があります。
社会人からの再進学や公務員試験などの受験は、自分の希望の実現には不可欠なことだと前向きに捉えて、ポジティブな志望動機を伝えるように心がけましょう。
自分だけのエピソードでアピールする
面接では質問に対し一言だけで回答することは、基本的に避けましょう。どのような質問に対しても、自分なりの考えや、自分だけにしか話せない具体的なエピソードを絡めて答えることで、回答への信憑性や、説得力を強めることができます。
どのようなエピソードを話せば効果的にアピールができるか、十分に対策を練りましょう。
面接対策のポイントを押さえて万全の準備をしよう
社会人の面接対策は、仕事と並行しながら限られた時間でいかに効率的に行うかが大切です。早めに対策に取りかかり、ポイントを押さえた準備や予行演習をしましょう。また、社会人を対象にした面接では、社会人特有の事柄を質問されることもよくあります。どのような質問がよく聞かれるかをチェックして、事前に回答を考えておくのがおすすめです。
自分一人で対策をするのが不安な場合は、家族に手伝ってもらったり、面接対策講座を利用したりする方法もあります。自分にあった方法で対策しましょう。