ふだん仕事で忙しい社会人にとって、受験のための勉強時間を取るのはかなり難しく、十分な時間が取れないまま、結局断念してしまうということがあります。勉強の時間を取るには、合格までのスケジュール及び1日のスケジュールをきちんと計画立てて実行することが必要となります。
今回は、社会人が忙しい中でも受験に向けて時間を作るスケジュールの立て方のコツや、平日と休日における1日の受験勉強時間の確保方法、目標別の受験勉強の注意点などをご紹介します。
大まかなスケジュールの立て方
学生の場合は、学校や予備校などで否応なしにカリキュラムに沿って勉強を進めていきますが、社会人が特に独学で受験勉強をする場合は、自主的に計画を立てなければなりません。
失敗しないスケジュールの立て方
スケジュールを立てるのにあたって決めなければならないのは、勉強の開始日、スケジュールの管理単位(月単位、日単位、時間単位)、作業項目などが挙げられますが、絵に描いた餅に終わらないよう、実現の可能性が高いスケジュールを立てる必要があります。
詰め込み過ぎによる失敗
仕事やプライベートで、とにかく手帳に予定を埋めないと不安になるということはないでしょうか。最初は資格取得に向けてやる気が出るため、時間に余裕がない詰め込んだスケジュールを作りがちです。仕事でも同じことがいえますが、時間に余裕がないスケジュールは突発的なできごとが発生すると軌道修正がしづらく、計画倒れになりかねません。
さらに1日を仕事と勉強でほぼ埋めてしまうと、ストレスや疲れがたまってしまい、勉強から次第に遠ざかってしまったり、仕事に悪影響を及ぼしたりすることにもなります。勉強は頭を使うため、適度な休息が必要です。
スケジュールは1日ごとに立てるべき?
学生の時は、よく1日のスケジュールを決めたものです。例えば「毎日4時間勉強する」などと1日あたりの時間数を決め、消化するテキストのページ範囲を1日ごとに決めるようなやり方をしたということはないでしょうか。
比較的勉強に充てる時間が多い学生であれば問題ありませんが、この手法は社会人には適していません。そもそも時間があまりないのに、管理に時間を割くのは効率的ではありません。
また、突然の残業やプライベートの用事が急に起きたりすることで、1日単位のズレは頻繁に発生します。スケジュールのズレから発生するストレスや、取り返そうとする焦りにつながってしまいます。
だからといって、スケジュールを1か月単位にするのは、管理としては粗すぎで、遅れがわかった時に取り戻すのが難しくなります。そこで、おすすめするのは1週間単位です。仕事の日と休みの日両方を考慮したうえで勉強量を設定することができ、もし遅れた場合でも休みの日に取り返しやすいためです。
受験までの日数はどう考える?
受験勉強はいつスタートしても良いですが、「なんとなく6月」や、「きりが良いから1月」といった決め方ではなく、あらかじめ客観的な数値を引き出しておいた方が、現実的なスケジュールを立てることができます。
使用するテキストや問題集のページ数と、1時間あたりに読み進めて理解できるページ数、1週間に確保できる時間数から計算すると、テキストを終わらせるのに必要な週数がわかります。そこで、受験日から逆算すると、勉強をスタートすべき日がわかります。
その際、1週間に確保できる時間は、余裕を持って少なめに設定しておきましょう。なお、1週間にどれだけ確保できるかについては、後述の「1日の時間の取り方について」をご参考ください。また、勉強の終了日は受験の1週間以上前に設定しましょう。
【公務員試験サクセス】
<市役所採用試験 合格体験談>
岡山県 K・Nさん
参考書より分かりやすい!苦手な数的推理を要点解説講座で突破でき、見事合格!
勉強に苦手意識がありましたが、自宅でできる問題集はないか探していたところ、公務員に合格している友人から、公務員試験サクセスを紹介されました。
参考書だけでは理解できず、特に数的推理が苦手でしたが、公務員試験要点解説講座は説明が詳しく書いてあり、加えて音声でも聞けるので、参考書よりポイントが分かって取り組みやすかったです。音声解説は1問5分で終わるため、負担が少なく、苦手な私でもこなせました。
解法は、判断推理、数的推理、文章理解、社会科学がそれぞれ50くらいの解法があって、それが分かると志望の市役所の予想問題集が8割くらい解けて、とても多くの解法が詰まっている問題集だなと感じました。
1日の時間の取り方
勉強ができる時間数は、仕事のある日と休みの日で異なります。仕事がある日は勉強できないからと、休みの日にまとめて勉強時間を取るのは、なかなか記憶に定着しづらいものです。休みの日には受験勉強にかなりの時間を取らなければならなくなるため、おすすめしません。ここでは、仕事のある日と休みの日、それぞれの勉強時間の取り方についてご紹介します。
仕事のある日の勉強時間
仕事のある日は、すきま時間の確保が重要となります。まずは、仕事のある日の勉強時間の取り方について説明します。
出勤前
出勤する前の時間帯は、集中力が高まりやすいものです。早く起きて勉強してから家を出るか、起きた直後は頭が働かないという場合は、カフェに行ってモーニングをいただきながら勉強する方法もあります。また、同じ目標を持つ方で集まる朝活サークルに入る方法もあります。
通勤時間中
通勤時間に電車を利用されている方は、車内で勉強できるチャンスです。ラッシュアワーで本を読むスペースが取りづらい場合は、オーディオブックや動画の音声を聴く、本を広げなくて済むように電子書籍端末を使う方法があります。
もし、ふだんは特急や急行に乗っているという方が座れる時間を確保したい場合は、あえて普通電車に乗るという手もあります。
お昼休み
お昼休みに勉強をするスペースが会社にあったり、近くに公園などがあれば、食事を済ませてから勉強をしたり、お客さんが混んでいる時間帯を外してカフェやフードコートで勉強をするというのはいかがでしょうか。
夕食の時間
夕食の時は食べながら本を開いて勉強するというわけにはいきませんが、先ほどの「通勤時間中」で説明したように、音声を聴きながら食事を取ることはできます。また、最近ではテレビでインターネット動画を観ることができますので、テレビを観ながら食事をすることもできます。
入浴時間
お風呂に入っている時間も、勉強に充てるチャンスです。テキストやスマホが濡れてしまう危険があるため、全身浴の状態で勉強はしづらいですが、半身浴や足湯をしている状態であれば、勉強は可能です。リラックスしながら時間をかけて勉強することができます。
寝る前
寝る前の時間は1日の中で唯一と言っていいほど、家の中でまとまった時間を取ることができます。脳は朝が最も活性化されるといいますが、暗記については睡眠中に無意識の間に定着するといわれているので、暗記ものは夜がベストです。
すきま時間を活用してきた1日の最後に、まとめとして使いましょう。
休みの日の勉強時間
平日にまとまった時間が取れない分、休日はチャンスですが、休日だからこそ休みたいと思ってしまいがちです。休息もしっかり取りつつ、まとまった時間を勉強に充てましょう。
休みの日はカフェなどで勉強するのがおすすめです。長居をしてお店に迷惑をかけるのは良くありませんが、外に出ることで気分転換にもなります。
もし週休2日制で、例えば土日に2日連続で休みという場合は、土曜の夜は翌日のことを考えずに勉強できますので、集中して勉強できます。ただし、あまり遅くまで勉強しすぎると生活リズムが狂ってしまいますので、勉強しすぎないようにしましょう。
進捗状況は1週間に1回確認するべきです。休日にチェックし、遅れがある場合は休みの日に取り戻しましょう。
試験別の対策
社会人の受験について、やるべき対策は目標によってさまざまです。ここでは簡単に受験に向けた注意点について触れておきます。
専門学校
看護師など国家資格を取得するため、専門学校へ入学することがありますが、受験の要件は資格によってまちまちですのでよく確認しておきましょう。例えば、同じ看護師でも准看護師の場合は中学卒業以上が要件ですので、専門学校の試験内容は中学レベルですが、正看護師の場合は高校卒業以上が要件なので、専門学校の試験内容は高校レベルとなります。
大学
社会人受験の大学受験は、一般受験と比べて科目が少ない傾向にありますので、集中して対策を打つことができます。通常の大学受験は共通テストも含め1〜3月ですが、社会人受験は9〜11月と早めですので、スケジュールを立てる場合は注意してください。
公務員試験
公務員試験の社会人枠は、これまでの職務経験で判断されることが多く、新卒枠の公務員試験と比べて勉強に充てる時間は少なくてすみます。受験勉強よりもこれまでの経験を棚卸しすることに、ウェイトを置く必要があります。
しかし、新卒枠よりも極端に採用人数が少ない点に注意が必要です。筆記試験もありますので、勉強しなくて良いというわけではないことは留意しておきましょう。
実現できるスケジュールを立てよう
今回は社会人が大学や専門学校の受験及び公務員試験を受ける際にスケジュールを立てる重要性を説明し、忙しい社会人の方に向けたスケジュールの組み方についてご紹介しました。
限られた時間の中で効率よく勉強するには、現実的なスケジュールを立てて実行していく必要があります。無理がなく毎日継続できるだけの計画を立てていきましょう。