社会人が大学院へ編入するのは難しい?2つの注意点とは

大学院編入って難しい? 社会人に嬉しい3つの編入方法

「人生100年時代」に向けて政府が構想を練るなどしていることから、大学・大学院などでの学び直しを選択する社会人が増えています。学び直しの場として、社会人の間で注目されているのが大学院です。

ですが「大学院」と聞くと、大学より更に上、果たして試験に合格できるのかと不安になりますよね。そこで今回は、学び直しを検討中の皆さんに向けて、そもそもの大学院の仕組みや大学院編入が難しいかどうか、解説していきます。

大学院の編入に必要な基礎知識

大学の茶色い建物

ここでは、基礎知識として大学院の仕組みや編入についての情報収集の方法について見ていきましょう。

大学院修了までに必要な在籍期間

大学院修了までに必要な最低年数は、修士課程2年間と博士課程3年間の合計5年間です。大学院によって呼称が異なり、博士前期課程・博士後期課程と呼ぶこともあります。ちなみに学部と呼ばれる大学と異なり、大学院は「〜研究科」と呼ばれることが一般的です。

研究結果を出して教員職に進んだり海外の企業に就職したり、目指すゴールによって実際の修了年数は異なることを知っておきましょう。なお修学期間を延長せざるをえない大学院生は、主に次のようなケースです。

  • 修士論文、あるいは博士論文の執筆が完了しない
  • 仕上げた論文を提出したが、審査に通らない
  • 在籍中に海外の大学院に留学する

大学院を修了すると得られる学位の種類

大学編入試験情報が満載大学院ごとに細かな点は異なりますが、各課程の修了要件を満たすと「修士」や「博士」の学位を取得可能です。それぞれの学位を取得すると、「修士号」や「博士号」という称号を得られます。

また博士は、次のとおり「課程博士」と「論文博士」に分かれるのがポイントです。2種類に分かれているものの、学位としての価値に違いはありません。

博士の種類博士の内容
課程博士大学院の博士課程、あるいは博士後期課程に在籍し、所定の単位を取得した上で博士論文の審査に合格した人に授与される
論文博士通称「論博(ろんぱく)」とも呼ばれる日本独自の制度 大学院の研究科を経なくても、博士論文の審査に合格した人に授与される

知っておきたい大学院の種類

大学院の形態は多様化していますが、ここでは大学院の主な種類5つについて見ていきましょう。

大学院の種類それぞれの概要
学部に対応した大学院学士課程の上に設置されており、内部進学者が多い
独立研究科大学の学部から独立した研究科
専門職大学院高い専門性を必要とされる職業人の養成に特化した課程をもつ法科大学院、MOT(技術経営)系大学院など
大学院大学学部はなく大学院だけで構成されている
連合大学院2つ以上の大学が協力して教育研究活動を行う研究科

どうやって情報収集すればいい?

情報収集にあたっては、実際に大学院や研究室を訪問したり進学説明会に参加したりするといいでしょう。またインターネットでも、大学院情報を検索できる次のようなポータルサイトが整備されています。

大学院編入は難しい?社会人なら可能性大

本を4冊、ベルトで持ち運んでいる

令和4年度 横浜国立大学入学者選抜実施状況一覧(大学院)を見ると、修士課程は受験者数も多く合格率が低い研究科もあります。しかし博士課程になると、受験者数も減り合格率が高くなるため、一概に難しいとはいえないでしょう。

ただし博士課程では事前に志望指導教員と面談があり、指導の可否について協議がなされている可能性があります。修士の学位を取得して研究者として活躍している人を、博士課程から指導するのは難しい場合が多いからです。

しかし中には、社会人の受け入れに積極的な大学院もあります。社会人学生を募集している大学院なら、合格の可能性が高まることが考えられるでしょう。

博士課程から編入する

修士号を有していなくても、「出願資格審査」の判定が良ければプログラムへの参加が認められる場合があります。出願資格審査がある大学院の博士課程は、すでに目覚ましい実績を積んでいる社会人におすすめです。

また社会人として一定の研究業績や能力があると認められると、博士課程から入学し1年という早期に博士号を取得できるプログラムもあります(筑波大学「早期修了プログラム」)。修業が認められると、費用や体力面の負担軽減につながるのでぜひチェックしてみてください。

働きながら社会人特別選抜枠に出願する

たとえば京都大学では社会人のための大学院コースを設けており、社会人特別選抜を実施している研究科があります。修士・博士とも入学後も引き続き官公庁・企業などに勤務しながら学ぶことを前提にしている点がポイントです。

上長からの推薦書や専攻分野に関連する実務実績調書を作成して提出する必要があるので、職場の協力が必要となります。

働きながら大学院で学ぶという観点で選ぶなら、夜間大学院へ通うのも1つの方法です。たとえば筑波大学は、1989年に全国に先がけて社会人のための夜間大学院を設置したことで知られています。

トランスファー制度を活用し海外の大学院へ編入する

すでに大学院でいくつか単位を取得済みであれば、トランスファー(transfer)を検討するのも1つの方法です。たとえば米国であれば、以前の学校で取得した単位の多くが認められます。

日本ではトランスファー制度が整っておらず、大学院を退学した人が取得済みの単位を活かして国内の他の大学院へ編入するのは難しいのです。

毎年7月末になると、秋の入学に向けて募集要項や入学願書を入手できます。海外留学に興味のある人は、必要に応じて次のようなテストを受ける必要があるので情報収集をして準備しましょう。

  • GRE (Graduate Record Examination)
  • GMAT (Graduate Management Admission Test)
  • LSAT (Law School Admission Test)

当ブログでは、「独学で編入試験を突破したい」「仕事と両立して対策する時間がない」という社会人の方々のお声に応えて、各最短8日で対策できる【志望理由書・論文最強ワーク】を取り扱っています。自己分析と志望動機の「型」を使って志望理由をラクラク作成できます。また、付属のMP3プレーヤーを使って専門知識を音声で学びながら、3タイプの「型」で論文の書き方を習得できます。「スキマ時間に効率よく対策できた!」「ケーススタディで先輩方の勉強法を知れたり、励みになった!」と満足いただいています。


社会人が大学院を目指す際の注意点

木製の人形がハイタッチをしている

政府が「社会人の学び・学び直し(リカレント教育)」を推進していることから、周囲の理解を得られやすい環境が整いつつあります。それでも社会人が大学院に編入するとなると配慮すべき点がいくつかあるので、ここでは注意点について見ていきましょう。

仕事と両立できるか

もし仕事を続けながら大学院へ通うのであれば、時間の調整は大きな課題です。残業の多い職場だと、夜間大学院でも研究を続けるのが難しいかもしれません。

またさほど残業が多くなくても、突発的な残業が発生する可能性があります。そのような残業への対応をどうするのか、事前に上司に相談しておくことが大切です。

大学院とは、専門領域の中で探求したいテーマを決め、自主的に研究して論文などにまとめる場です。受け身ではなく明確な問題意識を持ちながら、アカデミックな観点で社会人としての経験を活かしながら研究活動を進めることが重要になります。

このような研究活動への理解を上司から得られたほうが、仕事との両立がうまくいくでしょう。

家族からの理解を得られるか

家族がいる場合、職場同様に理解を得ておくことが大事です。大学院へいく目的や、修了すると家族にどのような恩恵があるのか、丁寧に説明しましょう。

大学院を無事に修了するまで、多くの費用と時間がかかります。当然、ライフスタイルの変更が必要になるなど、家族にも大きな負担がかかることが明らかです。家族への負担を過小評価せず、理解や協力が得られるように話し合いの場を設けるようにしましょう。

実績のある社会人の大学院編入は難しくない

社会人向けに大学院コースが用意されるなど、一定の研究業績や能力がある社会人にとって大学院編入は難しい選択ではありません。重要なのは、大学院編入にあたって費用や時間面で負担をかけてしまう家族や職場の理解を得ることです。ぜひ、一度きりの人生でやり遂げたいことに向けて、大学院編入を活用していきましょう!

社会人入試について詳しく知りたい、という方は以下の記事がおすすめです。社会人入試の難易度や試験内容、メリットなど、痒い所に手が届く情報を揃えています。


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