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大学では、社会人を対象とした社会人入試制度を設けているところもあります。社会人入試は社会人のための入試制度のため、一般入試とは異なるポイントをおさえておくことが重要です。
今回は、社会人入試を利用して大学入学を目指したい人や、社会人入試の受験を迷っている人に向けて、社会人入試の概要や試験内容、勉強方法、受験のスケジュール、倍率や学費、メリットについてご紹介します。
社会人入試の概要や基本情報
社会人入試の概要や受験要件や出願方法、スケジュール、難易度や倍率、学費について解説します。
社会人入試とは
社会人入試とは、大学や大学院が社会人を対象として実施している入試枠です。働きながら大学受験をすることが難しい社会人に考慮し、一般入試よりも少ない科目で受験できる特徴があります。
一般入試が各科目の知識によって合否が決定されるのに対して、社会人入試では受験生の志望動機や社会人としての実務経験、キャリア、人物などが重視される傾向にあります。
社会人入試の受験要件
社会人入試枠を利用できるのは、社会人のみです。こまかい条件は受験を希望する大学によって異なりますが、受験を希望する場合は以下の要件を満たしていなければいけません。
- 一定の年齢
- 大学受験資格がある
- 卒業後一定の社会人経験がある
- 指定の外国語検定試験の取得
社会人入試の受験要件に、年齢を設けている大学があります。年齢は「受験や入学する時点で満22歳以上」「高校卒業後3年以上経過」など、大学や受験を希望する学部によって規定が異なります。
大学受験資格として認められるものには、以下のものがあります。
- 高卒
- 高卒程度と同等の学力を有すると認められる(高卒認定など)
- 海外の学校教育において12年以上の課程を修了している
社会人入試では、社会人としての実務経験も求められます。実務経験3年以上を規定している大学が多いです。また、出願の際に在職を証明する書類の添付を求められることもあります。なお、専業主婦やパート、アルバイトの経験も社会人経験として認められるかどうかは、大学によって異なります。
大学側が指定した外国語検定試験の取得が、社会人入試の要件として設けられている場合も多くあります。対象となる外国語検定試験には以下のものがあり、どれが求められるかは大学によって異なります。
- 実用英語技能検定(英検)
- TOEIC
- TOEFL
- IELTS
- GTEC
- TEAP
- 国連英語
- ケンブリッジ英語検定
社会人入試の出願方法と必要書類
社会人入試の出願は、定められた出願期間内に必要書類をそろえて大学に提出します。出願方法は郵送、Webなど大学によって異なります。
出願時、必要となる書類は以下の通りです。
- 志願票
- 社会人入試申請書
- 志望理由書
- 写真
- 最終出身学校の教育内容や成績が確認できる書類
- 学歴の証明書
- 国籍が証明できる公的書類
- 外国語検定試験の試験成績を証明する公式スコア、もしくは合格を証明する書類
志願票や社会人入試申請書、志望理由書は大学ごとに所定のフォーマットが用意されています。直接大学窓口で受け取るか、社会人入試の概要ページなどからダウンロードし、必要事項を記載しましょう。写真は申請書に添付するか、撮影したデータをアップロードして提出します。
最終出身学校に関する書類は、高校の成績証明書が求められる大学もあれば、パンフレットや学校案内など客観的に教育内容が確認できる書類のみで問題ない大学もあります。最終学歴を証明できる証明書は、ほとんどの大学で求められます。
社会人入試の受験要件に「日本国籍を有していること」とある場合は、パスポートなどの国籍が証明できる公的書類の添付が求められます。同じく、外国語検定試験の取得を要件に設けている場合は、試験成績を証明するスコアや合格証書などの書類提出が必要です。
必要となる書類は、受験する大学や学部によって異なります。社会人入試の受験概要をよく確認し、必要な書類をそろえておきましょう。
社会人入試のスケジュール
一般的な社会人入試のスケジュールを以下にまとめました。
時期 | スケジュール | 行う内容 |
4月 | 情報収集 | ・受験する大学や学部選び ・学費や制度を調べる ・必要書類やスケジュールの確認 |
7月 | 出願準備 試験対策 | ・出願する書類の作成と準備 ・試験対策 |
9~10月 | 出願 | 必要書類を添えて大学へ出願 |
10~11月 | 受験 | 社会人入試試験を受ける |
1月 | 合格発表 | ・合否の確認 ・期日までに入学金や授業料を入金する |
出願期間や受験日は大学によって異なります。一般的に9~11月に出願、受験日を設けている大学が多い一方、一般入試と同じ1~3月に受験日を設けている大学もあります。受験したい大学の日程を確認し、スケジュールを立てましょう。
社会人入試の倍率や難易度
大学ごとの社会人入試の具体的な倍率は公表されていません。社会人入試の難易度は、試験内容から見ると一般入試よりも低くなります。受験対策が必要な科目数が限られるためです。
ただし、一般入試よりも募集人数が少なく「若干名」としている大学も多い傾向にあります。社会人入試の試験内容をしっかりと確認した上での対策が求められます。
社会人入試の学費
学費は入学する大学や学部によって異なります。ただし、社会人入試の場合一般入試よりも学費が安く済む傾向にあります。入学金や授業料、施設設備費が半額になるなどの学費減免措置を設けている大学も多くあります。
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愛媛県 T・Dさん
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社会人入試の試験内容と勉強方法
社会人入試は社会人に特化した入試のため、一般入試と内容が異なります。社会人入試の内容は以下の通りです。
- 小論文
- 面接
- 科目試験
- 外国語検定や資格
それぞれの試験内容と勉強方法を解説します。
小論文
与えられたテーマに対して論述をします。テーマは受験する学部に関することが多くなっています。たとえば経済学部なら経済に関する時事問題、看護学部なら看護士の資質や医療に関することなどがテーマとして出題されます。
英文科や外国語学部では、英語での論述が求められる場合もあります。理数系などごく一部の大学では、小論文ながら実際は理数の知識が問われる出題がされることもあります。
小論文の対策は、過去問を調べて出題傾向を把握することです。小論文対策となる参考書なども活用し、テーマを理解したうえで適切な論述ができるようにしておきましょう。
面接
社会人入試では、面接が合否で大きな比重を占めています。面接では、以下の点が重視されます。
- 社会人になってから大学で学ぶ理由
- 大学の志望動機
- 学科や専攻の志望動機
- 大学が望んでいる社会人学生像に合致しているか
- 若い学生とコミュニケーションがとれるか
- 経済的な基盤はあるか
大学や学部、学科、専攻を選んだ理由や社会人大学生になる動機などが掘り下げられるため、大学や学部の情報を仕入れて研究を行っておきましょう。面接対策の参考書を活用するのも有効です。
科目試験
一般入試と同じく、社会人入試で科目試験が出題される大学もあります。科目試験は、受験する学部に限らず英語のみ出題されるパターン、さらに一般入試と同じく受験する学部や学科に関連した科目が出題されるパターンがあります。
科目試験がある場合には、受験する科目に対する試験勉強も必要になってきます。何の科目がどのように出題されるか、過去問を活用して対策をしましょう。
外国語検定や資格
社会人入試の受験要件に指定の外国語検定や資格の取得がある場合、出願準備や入試対策と同時に外国語検定や資格の取得も行います。指定されている資格がTOEICなら、TOEICの受験および高いスコアを取得するための勉強が必要です。同時に外国語検定や資格の取得も進めておきましょう。
社会人入試のメリット
社会人入試には、以下のメリットがあります。
- 一般入試よりも受験対策の負担が少ない
- 仕事に関する知識やスキルが得られる
- 資格取得や就職につながる
- 学歴が得られる
それぞれのメリットについて解説します。
一般入試よりも受験対策の負担が少ない
社会人入試は、働きながら受験をする社会人のための入試制度です。一般入試よりも受験科目が少なく、多くの大学では小論文と面接のみとなっています。受験勉強への負担が少なく大学へ入学できるチャンスをつかめるのがメリットです。
ただし、実務経験や面接など、社会人としての人物像や考え方、志望動機などがより重視されます。小論文や面接対策はしっかりと行っておきましょう。
仕事に関する知識やスキルが得られる
社会人入試を実施している大学や学部なら、自分で学びたいことに応じて選べるのも社会人入試のメリットです。たとえば経営コンサルタントの人が経営学部で学ぶ、工務店や建築会社の人が建築学部で学ぶように、現在の仕事や、将来の仕事に役立つ内容を学ぶために大学を目指す社会人も多いでしょう。
資格取得や就職につながる
社会人入試は、看護学部など資格の取得を目指せる学部でも採用されています。将来的に資格を活かした職に就きたいときや、資格職への転職を検討しているときにも、社会人入試は選択肢に入ります。
学歴が得られる
社会人入試を利用して大学へ入学し、卒業すれば大卒の学歴が得られます。会社によっては同じ年齢でも学歴によって給料や昇進に影響があることもあるでしょう。また、高校や大学中退などで最終学歴に納得していない人の学び直しの場としても社会人入試は有効です。
社会人入試を利用して大学で学ぼう
社会人入試の概要や基本的な情報、試験内容と勉強方法、受験すると得られるメリットを解説しました。社会人入試は一般入試よりも受験勉強の負担が少ないため、これから大学入学を目指す社会人にもチャレンジしやすいのが特徴です。
各大学によって試験の内容や小論文のテーマなどが異なるため、事前に過去の出題傾向や大学の情報などを把握した上で社会人入試へ挑みましょう。