就職に有利なのはどっち?職業訓練校と専門学校の違いとメリット

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「手に職をつけたい」「資格を取りたい」と思ったとき、まず希望分野の資格が取れる専門的な学校に通うことを考える方が多いのではないのでしょうか。

資格を取るには、専門学校だけでなく職業訓練校を受講する方法もあります。どちらに通った方が就職にメリットがあるのでしょうか。

今回は気になる学費のことや、卒業したときに得られる「称号」や「学歴」の違いを具体的に解説します。

職業訓練校と専門学校の違うポイント

仕事中に談笑する2人

希望する仕事があっても、職種によっては資格を必要とするものがあります。また、就職後も資格を持っているか持っていないかによって、給与に差が出ることも多いです。一般的には、社会人になったときに資格を持っていると有利とされています。

資格を取得する方法について、まず専門学校が頭に浮かぶ方が多いのではないでしょうか。しかし資格によっては職業訓練校で取得できるものもあります。

職業訓練校は、希望の仕事に就くために必要なスキルや知識などの習得が可能です。専門学校と同じように思われますがさまざまな点で違いがあるので、どちらが自分のライフスタイルに合っているか確認しましょう。 

職業訓練校と専門学校では国の管轄機関が違う!

職業訓練校と専門学校の大きく違う点として、管轄している機関が違うところが挙げられます。専門学校は「文部科学省」、職業訓練校は「厚生労働省」の管轄です。

専門学校は「職業または生活に必要な能力を育成、または教養の向上」を目的としていて、一方職業訓練校は「離職者が再就職に必要な技能及び知識を習得すること」を目的としています。

キャリアアップを目指す方や職場ですぐに使える知識を身につけたい方は、職業訓練校が効率的です。職業訓練校が効率的である理由は、学習内容に違いがあります。職業訓練校は自分が学びたい「技能の習得」「資格の取得」に特化した科目が受講できます。

受講期間は短期コースであれば2〜6か月です。一方専門学校は専門科目だけでなく、一般教養も履修が必要な場合もあります。また修業年限は教育内容に応じて1〜4年までと長期に及びます。

職業訓練校で受講可能なコースの一例受講期間
介護職員初任者養成研修科2か月
初歩からはじめるWebアプリ開発科3か月
登録販売者・調剤事務科3か月
貿易実務科3か月
建築CADオペレーター科3か月
Webデザイン+開発基礎科4か月
日本語教師養成科5か月
AIプログラマー基礎実践科5か月
Java Web技術者育成科5か月
介護福祉士実務者研修科6か月

卒業後の学歴と職歴に違いがある?

もうひとつ職業訓練校と専門学校で異なる点が、卒業後の経歴です。専門学校は「高等教育機関」と位置づけられているので、卒業すると「学歴」として扱われます。履歴書に書くときは、学歴の欄です。

一方、職業訓練校は文部省管轄の学校ではないので卒業しても「学歴」にはならず、扱いは「職歴」です。履歴書では職歴欄、職務経歴書では学習歴の項目となり、職業訓練の施設名や受講コース名、得られた能力などを記載します。

厚生労働省所管でありながらも例外となるのが、高等教育訓練機関である「職業能力開発総合大学校」と「職業能力開発大学校」です。全国に職業能力開発総合大学校は1校、職業能力開発大学校は10校あります。職業能力開発総合大学校は省庁大学校に位置づけられ大学卒扱いで、職業能力開発大学校においても、応用課程を修了すると大学卒と同等に扱われます。

【職業訓練校の選考試験詳細はこちら】

職業訓練校について、入学のための選考試験の内容や対策は次の記事で詳しく解説しています。

職業訓練校と専門学校のメリット

岐路に迷う人

学校選びは将来を左右します。したがって、自分が進みたい職業に必要な資格の取得、及び知識やスキルが身につけられる職業訓練校や専門学校を探すことが大切です。どのようなことが学べるのか、後々後悔することがないようにしっかりリサーチしましょう。

自分が取得したい資格が職業訓練校、専門学校どちらでも取得できる場合、次に重視したいポイントは学費や、就職の有利さなどではないでしょうか。

学費の負担が軽くすむのはどっち?

職業訓練校も専門学校も学ぶ期間に決まりはなく、取得する資格やスキルによって異なります。国家資格取得は、カリキュラムの基準が国によって決められているので職業訓練校でも専門学校でも、同じ資格であれば必須科目の授業時間や学ぶ内容に違いは少ないでしょう。

その場合に気になるのが学費のことでしょう。一般的に専門学校は1年目で100万円以上かかりますが、職業訓練校はそれほどかかりません。無料(一部テキスト代などは自己負担)で受講できるコースもありますが、有料の場合でも教育訓練給付制度を利用すれば、少ない負担で通えます。

また、求職者支援制度を利用すれば生活費も助成されるなど、スキルアップを目指す方へのサポートが充実しています。

制度の種類制度の内容
教育訓練給付制度  ・雇用保険に加入している労働者のスキルアップを支援
・教育訓練は厚生労働大臣が指定する講座
・対象となる教育訓練は約14,000講座
・支給率は講座レベルなどに応じて3種類あり20〜70%を支給
求職者支援制度・再就職、転職、スキルアップを目指す方を支援
・無料の職業訓練を受講可能
・月10万円の給付金※受給には条件あり

資格取得や就職のメリットに違いはある?

ここでは、職業訓練校と専門学校のそれぞれのメリットについて比較してみました。

資格取得

国家資格は試験に合格して取得するため、職業訓練校受講終了者でも専門学校卒業者でも資格や免許に違いはありません。自分に合った受講しやすい方を選びましょう。

子育て中の方も受講可能

職業訓練は年間約26万人の方が受講し、約8割の方が就職しています。また、受講者の7割以上が女性です。子育て中の方も受講できるよう、託児サービス付きの職業訓練も用意されています。

早期就職を目指すなら職業訓練

専門学校のなかには、卒業するために一般教養も履修が必須となっているところもあります。一方職業訓練校は資格取得のための勉強に集中でき、短い期間で資格やスキルが身につくため、早期就職を目指す方にとっては大きなメリットといえるでしょう。

専門学校の多くは4月入学です。一方職業訓練校はコースによってスタートが違い、4月まで待つ必要がないコースもあります。自分のライフスタイルに合わせて、受講をはじめられる点も職業訓練校のメリットです。

時代のニーズにマッチ

職業訓練校は、毎年雇用失業情勢によって求職者の動向や、これから人材が必要とされる分野や規模などを踏まえて、計画が見直されます。人材不足の分野や成長が見込まれる分野の人材育成に重点が置かれているためです。

これは受講する側にとっても、昨今の時代のニーズに即したコースが受講できるので大きな魅力でしょう。人手不足感が高いとされる分野が学べるために、就職もしやすいです。例えば、OAシステム開発やWeb設計、3DCADなどのコースもあり、時代にマッチしたスキルが身につくので、就職に有利とされます。

年齢制限がない

介護職や保育士などといった、資格がないと仕事に就けない職種があります。高校や大学を卒業した後に目指したい職業が見つかり、免許や資格を必要とするのであれば職業訓練校で学び直せるのです。

働こうとする方、働く方すべてが対象の職業訓練の受講にはほぼ年齢制限がありません。年齢に関わりなくいつまでも学び働き続けたいという人のための国の施策です。

気軽にハロートレーニング

職業訓練は、2016年11月に「ハロートレーニング」と愛称が決まりました。多くの方に職業訓練制度を認知してもらえるように名づけられています。

新しい職業やスキルにチャレンジするには勇気がいるものです。職業訓練では技術や知識を習得したい方を後押しし、気軽に学びやすい体勢が整っています。「やりたい仕事はあるがスキルがない」と思っている方にぴったりです。

スキルアップを目指すなら職業訓練校

職業訓練は、就職に必要なスキルや知識の取得が、無料または少ない負担でできる公的な就職支援制度です。職業訓練校には多くのコースがある上に、学ぶためのまとまった資金がない方でも、スキルアップやより条件の良い企業への就職が目指せます。

自分が就職したい仕事にどのような資格が必要なのかを調べて、職業訓練校のさまざまなコースから選び受講しましょう。

なかには、現在は目指す職種や業種が明確になっていない方もいらっしゃるでしょう。その場合はハローワークの求人票をみて、どの仕事にどういう資格が求められているのかをリサーチしてみるのも良いでしょう。今後の自分に役立つ資格に巡り合えるかもしれません。