働きながら教員免許取得は可能!取得できる免許や方法を解説

社会人が働きながら教員を目指す5つの方法

教員を目指したいけれど、「教員採用試験は範囲が膨大…」「そもそも免許取得からしなければと思うとハードルが高い…!」と諦める社会人の皆さん、この記事に辿り着いたからにはもう安心です。

働きながら教員免許を取得する方法はあります。ただ、取得を希望する免許の種類や期間などにより方法が異なります。自分が目指すべき教員免許や重視したいポイントに合わせた取得方法を選びましょう。

今回は、働きながら教員免許を取得する方法や仕事と両立しながら免許取得ができる方法の選び方を解説します。

働きながら教員免許を取得する方法

辞書とノートが一冊ずつ机に乗っている。辞書の上に黒いペンが一本

働きながら教員免許を取得できる代表的な5つの方法を解説します。

通信制大学や通信制短期大学に通う

教職課程を設けている通信制大学や通信制短期大学で学び、教員免許を取得する方法です。通信制大学および通信制短期大学では、以下の正科生または科目履修生いずれかになり、必要な学位や単位の取得を目指します。

在籍区分取得を目指せるもの向いているシーン免許取得までの期間
正科生・学士の学位(大学卒業資格) ・教員免許取得に必要な単位大卒資格も同時に取得したいとき  2年以上
科目履修生・教員免許取得に必要な単位卒業済みで教員免許取得に必要な単位のみ習得したいとき取得したい単位による異なる

大学入学資格を持つ人が大学卒業と教員免許取得両方を目指す場合は、正科生として通信制大学に通うことになります。なお大学によっては、条件を満たすことで2年次編入や3年次編入が認められる場合があります。

すでに大学や短大などを卒業している場合は、あらためて通信制大学や短大の正科生となる必要はありません。科目履修生として在籍し、取得したい教員免許に対応した単位のみ取得できます。卒業が目的でないため、必要な単位を取得した後は卒業せずに通信制大学や短期大学への通学を終了できます。

通信制大学や短期大学では、おもに以下の方法を組み合わせて教員免許取得に必要な単位を履修していきます。

単位の取得方法単位取得に必要な行動
レポート(リポート)提出履修する科目ごとの課題やテーマに沿ったレポートを作成し、提出
スクーリング対面またはオンラインで履修する科目の講義を受ける
科目習得試験履修する科目の科目習得試験を受け、合格する

通信制大学または短期大学では、以下のように幅広い種類の教員免許が取得できます。取得できる教員免許の種類は大学や短期大学によって異なるため、自分が取得を希望する教員免許取得ができる学校を選ぶ必要があります。

  • 幼稚園教諭1・2種
  • 小学校教諭1・2種
  • 中学校教諭1・2種(国語、社会、美術、中国語、保健、保健体育、家庭科、英語、宗教、数学、音楽、理科)
  • 高等学校(高校)教諭1種(国語、地理歴史、公民、書道、美術、工芸、中国語、保健、保健体育、家庭科、商業、英語、宗教、数学、情報、福祉、音楽、理科)
  • 特別支援学校教諭1・2種
  • 養護学校教諭1種

教職特別課程に通う

教員採用教職特別課程を設けている大学に教職特別課程生として通学し、教員免許取得を目指す方法です。以下の条件を満たしていれば、教職特別課程を履修できます。

  • 大学卒業者、または大学院(修士・博士課程)修了者
  • 「教科に関する科目」を20単位以上履修済み(入学時までに20単位以上修得見込みも可)

教職特別課程では1年で教員免許取得に必要な単位を履修できるのが魅力です。ただし取得できる教員免許は以下の種類に限られます。

  • 中学校教諭1種・専修(国語、社会、数学、理科、技術、英語、ドイツ語、フランス語、中国語)
  • 高等学校(高校)教諭1種・専修((国語、地理歴史、公民、数学、理科、英語、工業、商業、ドイツ語、フランス語、中国語、情報)
  • 特別支援学校教諭1種(知・肢・病)

1年と短い期間で教員免許取得が目指せる一方、取得単位数の多い幼稚園・小学校教諭の教員免許取得には対応していません。また一般的な大学と同じくフルタイムで通学する必要があるため、働きながらの取得はやや困難となります。

教員資格認定試験に合格する

教員資格認定試験とは、教員として必要な資質や能力を持つ人へ教員への道を開くために年1回文部科学省が行う試験です。学歴や履修した単位を問わず、教員資格認定試験に合格すれば以下の教員免許が取得できます。

  • 幼稚園教諭2種
  • 小学校教諭2種
  • 特別支援学校教諭1種(聴覚障害教育または肢体不自由教育)

取得できる教員免許は限られるものの、試験に合格すれば通学などの必要なく教員免許が取得できます。教員試験認定試験を利用して教員免許取得を目指す場合は、働きながら試験勉強も行いやすいです。

臨時免許状を取得する

臨時免許状とは、一般的な教員免許である普通免許状を持つ人材を採用できない場合に限り、例外的に授与できる「助教諭」の免許状です。都道府県教育委員会が行う教育職員検定に合格すると、3年間の有効期限付きの臨時免許状を取得できます。

ただし臨時免許状は名前のとおり、教員が不足したときにあくまで臨時的に発行される免許状です。同じ都道府県で毎年確実に応募があるわけではありません。

特別免許状を取得する

特別免許状とは、教員免許を持たない社会人を学校現場へ迎えるために発行される教員免許です。都道府県教育委員会が行う、教育職員検定に合格すれば発行されます。担当する科目や教科に関する専門的な知識やスキルが必要です。

教員免許取得方法のメリット・デメリット

図書館に電球がたくさん並んでいる。

働きながら教員免許取得を目指す方法と、それぞれのメリットとデメリットを以下にまとめました。

教員免許取得方法メリットデメリット
通信制大学または短期大学・卒業資格も得られる ・既卒の場合必要単位のみ習得できる ・取得できる免許の種類が豊富 ・大学や短期大学の数が多い ・自分のペースで通えるため仕事と両立しやすい・コストが高め ・モチベーションやスケジュール管理が必要
教職特別課程短期間(1年)で教員免許が取得できる・設置している大学が少ない ・履修条件として大学既卒および単位が必要 ・フルタイムでの通学が必須 ・取得できるのが中・高・特別支援学校1種のみ
教員特別認定試験・低コストで教員免許が取得できる ・通学不要・試験勉強が必要 ・チャンスが年に1回のみ・取得できるのが幼・小2種および特別支援学校1種のみ
臨時免許状・低コストで教員免許が取得できる ・通学不要・毎年確実に募集があるわけではない ・免許に3年間の期限あり
特別免許状・低コストで教員免許が取得できる ・通学不要  ・毎年確実に募集があるわけではない ・自分が知識やスキルを持つ教科や科目のみ

当ブログでは、独学でも予備校のような学習が叶う、教員採用試験対策セットの決定版「要点解説講座」を取り扱っています。これまで蓄積した教員採用試験データから厳選した、最重要・頻出問題について、講師が音声で詳しく解説しています。一般教養・教職教養の200テクニックが身につくため、「この対策セットだけで合格できた!」「1テクニックの音声解説を5分以内に聴けるから、勉強のハードルが下がった!」と94.1%のお客様に満足いただいています。最小投資で志望自治体の傾向に合わせた対策ができる「自治体別・合格レベル問題集」も併せてご活用ください。

働きながら教員免許取得を成功させるポイント

講義室の通路左に机と椅子。右側には窓がある。

働きながら教員免許取得が目指せる方法は多くあります。働きながら教員免許取得を成功させるためのポイントを解説します。

取得を希望する教員免許に合う方法を選ぶ

教員免許と一口にいっても、教員として働く学校や教える科目によって種類が分かれます。まずは自分が希望する教員免許を取得できる方法を選びましょう。

学歴や取得単位、経歴に合わせた方法を選ぶ

教員免許を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 教職課程のある大学また短期大学を卒業する
  • 所定の単位をすべて取得する

働きながら教員免許を取得するには、仕事と両立させるためにできるだけ効率よく必要単位を取得や勉強をすることが重要です。すでに大卒や短大卒、大学中退などの学歴を持っている場合には今まで取得した単位を活用できる場合があります。

たとえば通信制大学に通って教員免許を取得する場合は、正科生1年生入学以外にも、学歴や取得単位によっては2年次や3年次編入、科目履修生などから選ぶことも可能です。

さらに、社会人としての十分な経歴やスキル、知識を持っている場合には特別免許状の取得も選択肢となります。自分の今までの学歴や取得単位、経歴を活かして教員免許を最短かつ効率よく取得できる方法を選ぶのも重要です。

仕事と両立しやすい環境を選ぶ

働きながら教員免許を取得する場合、働き方や免許取得にかけられる期間によって適した教員免許取得方法は異なります。たとえば教員免許取得のために1年間の休職が認められる場合は、教職特別課程へフルタイムで通学し、1年間で取得する方法も選べます。

通信制大学や短期大学で教員免許取得を目指す場合には、以下のポイントを踏まえて通いやすい学校を選ぶと、仕事との両立もしやすくなります。

  • 自宅や勤務先からの距離
  • 実施されているスクーリングの数や時期
  • 実施されているスクーリングの場所

仕事を休まざるを得ない場合があることを考慮する

教員免許の取得方法や取得する免許の種類によっては、以下の理由で仕事を休む必要があります。

  • スクーリング
  • 実習

通信制大学や短期大学でのスクーリングは、取得したい単位を効率的に取得できる方法です。スクーリングの開催時期や場所は、学校によって異なります。自分が取得したい単位のスクーリングの実施期間や場所によっては、仕事を休んで参加する必要もあるでしょう。

また、教員免許の取得には教育実習や介護等実習が必要単位に含まれます。取得を希望する免許によって必要な実習の種類や期間は異なりますが、一般的に実習は数週間にわたり実施されます。実習の実施時期も通信制大学や短期大学、実習先によって異なるため、必要に応じて仕事を休める体制を整えておくことも重要です。

仕事を休む必要はありませんが、教員免許取得のために計画的に進めるべき以下のものもあります。

  • 卒論の作成と提出
  • 科目習得試験の勉強
  • 教員資格認定試験への勉強

学校卒業と教員免許取得を同時に進める場合には、卒論の提出と合格が必須です。単位の取得や教育実習、さらに仕事との兼ね合いを考えて卒論も計画的に進めていかなければいけません。

単位を取得するための科目習得試験の勉強、試験合格で教員免許取得を目指すなら教員資格認定試験への計画的な勉強が必要となります。毎日働くなかでも、勉強時間を確保しなければいけません。

働きながら教員免許取得をして教員を目指そう

一度社会に出ても、働きながら教員免許の取得は可能です。自分の学歴や取得したい免許に合わせた取得方法を選んで、ぜひ教員への第一歩となる教員免許取得を実現させましょう。

社会人だからこそ、重点的に対策しておいた方が良い「面接対策」。しかし十分に練習できる時間や環境はなかなか取りづらいですよね。そんな方には以下の記事がおすすめです。社会人ならではの、面接対策で最低限押さえてほしいポイントを解説していますので、先延ばしにせず、早めの対策を進めましょう。


職業訓練試験
看護医療系
大学入試・大学編入
公務員試験
専門学校・資格取得
previous arrow
next arrow
 
職業訓練試験
看護医療系
大学入試・大学編入
公務員試験
専門学校・資格取得
previous arrow
next arrow